2018年7月4日

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フィリピンを代表するリゾート「ボラカイ島」の閉鎖問題 世論は賛成が多数を占める

フィリピンを代表するリゾート「ボラカイ島」の閉鎖問題 世論は賛成が多数を占める

フィリピンで一、二を争う著名なリゾート地『ボラカイ島』は、4月から6ヶ月間の予定で観光客の立ち入り禁止、閉鎖中で経済損失と雇用の大きな問題を生じているが、閉鎖直前の3月末にかけて行われた世論調査で、閉鎖措置に賛成とすると答えた人が64%に上った。

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調査は民間調査会社の『SWS』が全国の成人1200人を対象に行われたが、設問は『1年間の閉鎖』を問う内容にもかかわらず、強く賛成が38%、賛成が26%の計64%が閉鎖措置を容認し、分からないは17%であった。
  
これに対して10%が強く反対、同じく10%が反対の計20%となり、ボラカイ島の長期閉鎖は国民の間で支持されていることが明らかになった。
   
地域別ではボラカイ島を含み影響を受けるヴィサヤ地方が最も低い支持率となったが、それでも53%の数字となり過半数以上に支持されている。
  
地域別で賛成が多かったのは首都圏で69%、次いでミンダナオ島の68%、首都圏以外のルソン地方64%と全国的に閉鎖措置が支持されている。
  
また『閉鎖は将来的には良い影響を与えるか』という設問に対しては、肯定する層が多く、高い肯定率を示したのは賛成の多かったマニラ首都圏で、利害が直接関わるヴィサヤ地方でも60%となった。
  
学歴別を見ると高学歴ほど閉鎖賛成が多くなり、大学卒が70%、高校卒が69%、小学校卒が57%となった。
   
この問題はドゥテルテ大統領が同島を訪れ『ボラカイの海は汚染溜め』と発言したことから始まっていて、抜き差しならぬ環境汚染の実態が次々と暴かれている。
  
ボラカイ島は野放図な観光開発が進められ、国内外から年間200万人近くが訪れ、それに連れてゴミ、生活排水の垂れ流しなどの問題が発生し、長い白浜は藻が発生するなど惨憺たる有様になっていた。
  
また、観光客を受け入れるために、宿泊施設やレストランなどの違法建築が海岸部を中心に林立し、今回の閉鎖はこれらゴミや生活排水の処理と違法建築の取り壊しなどが行われている。
  
このように思い切った措置に出た政府側だが、本当に半年間の閉鎖措置でボラカイ島が甦るか早くも疑問視されている。
   
これは長期的、総合的なボラカイ島の再生計画がないままに場当り的な作業が行われているためから来ている。
   
また、ボラカイ島の荒廃を招いた州知事以下の行政関係者を入れ替えない限り、再開なっても不法体質は変わらず元の木阿弥になるとの指摘もある。
 
ボラカイ島の問題を受けてセブやボホール島、パラワン島などの著名リゾート地の環境破壊が表面に現れているが、行政、業者の『臭い物に蓋』と『見て見ぬ振り』体質は払拭できず、フィリピンは自分の手で自分の首を絞めていると批判されている。
 
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=359

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