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ギリシャ大手4行の資本不足、想定下回る144億ユーロ=ECB

EUは7月、ギリシャに最大860億ユーロの追加金融支援を実施することで合意。うち250億ユーロが、経済・金融危機で資金繰り悪化が深刻化した銀行の資本増強向けとなる。銀行向け支援は100億ユーロが実施済みで、残る最大150億ユーロはストレステストの結果を踏まえて実施することになっている。
 
ストレステストの対象となったのは、アルファ銀行、ユーロバンク、ギリシャ・ナショナル銀行(NBG)、ピレウス銀行。ギリシャ経済が予想より悪化する場合を想定した「逆境シナリオ」と、予想通り推移する場合の「基本シナリオ」に基づき、銀行がどの程度の資本増強が必要となるかを試算した。
 
144億ユーロという不足額は、「逆境シナリオ」に基づくもの。各行の不足額はピレウスが約49億ユーロ、NBGが約46億ユーロ、アルファが約27億ユーロ、ユーロバンクが約21億となっている。基本シナリオの不足額は計44億ユーロだった。
 
ギリシャ政府は追加金融支援の条件として、銀行の資本増強を年内に完了することを求められており、同日に議会が資本増強の手順を定めた法案を可決した。各行は11月16日までに資本増強計画をECBに提出することを求められる。
 
対ギリシャ金融支援を担うユーロ圏の金融安全網である「欧州安定メカニズム(ESM)」の報道官は同日、資本不足額が支援上限の250億ユーロを下回り、民間投資家も資本増強の一部を負担することから、「残る150億ユーロの支援は不要になるだろう」と述べた。
 
photo by Dimitris Kamaras on flickr