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モバイルゲーム業界に変革!中国企業の急成長が目覚ましい

 
アクティビジョン関連の1〜6月期の売上高で世界1位の中国の騰訊控股(テンセント)は、モバイルゲーム売上高で今年8月に、一時2位に浮上した。中国大手の網易(ネットイース)はゲーム開発強化へ創業間もないリフォージド・スタジオというフィンランド企業に250万ドル投資した。中国企業は世界の有力企業からのライセンス導入が主とはいえ台頭が目覚ましい。
 
このような台頭の背景には市場の急成長がある。ゲーム市場調査の米ニコ・パートナーズによると、15年の中国のモバイルゲーム市場は55億ドルと前年から7割近く増え、米国の45億ドルを上回る見通し。19年には111億ドルとさらに倍増を見込む。
 
日米欧などの企業にとって中国需要の取り込みは重要な課題だ。ミクシィは人気ゲーム「モンスターストライク」をテンセントにライセンス提供していたが、10月に解消して撤退。中国市場攻略の難しさを示している。
 
このようにして世界のモバイルゲーム業界に転機が訪れたのは、成長する市場をけん引してきた北欧系の大手ゲーム会社が成長の限界に直面し始めたことにある。
 
人気ゲーム「キャンディークラッシュ」を配信する英キング・デジタル・エンターテイメントを米ゲーム大手アクティビジョン・ブリザードが買収すると発表した。家庭用ゲーム機「Xbox」やパソコン向けを主力とするアクティビジョンによる買収額は59億ドル(7200億円)に達する。キングは2014年にニューヨーク市場に上場。しかし直後から株価は下落、上場で得た資金を成長に繋げられなかった。
 
フィンランドのゲーム会社、「アングリーバード」で有名なロビオは10月下旬に200人超強の人員削減を発表した。
 
ダウンロード無料が中心のモバイルゲームの人気は移ろいやすい。ヒット作に継続して稼げる仕組みを用意しつつ、新作開発に注力できるかが生き残りのカギを握る。
 
photo by Cory M. Grenier on flickr