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フィリピン、2016年の経済成長率予測は6.4%、選挙がカギか

 
フィリピンの経済について報告書は2016年5月に行われる『選挙』が大幅な支出増を支え、インフレ率が割合安定、輸入に頼る原油価格の下落などがGDP増進に寄与していると分析。
 
しかしながら実施が遅れている政府のインフラ事業で、2016年度にGDPの5%を使う政策は好材料と見るも、政権が交代することで政策の転換への危惧、また高速道路や鉄道などの大型インフラ事業の推進のためには入札を始めとする当局側の効率的な運用と、外資の積極的な導入が必要と指摘している。
 
また、産業別ではコールセンター業務を中心とするBPO(ビジネス・アウト・ソーシング)業界がフィリピンはインドと並ぶ世界的拠点となり、業界総収入は大幅に伸び2016年度は250億ドル程度と見積もられ、同様に海外で働くフィリピン人からの送金額も堅調で、両方でGDPの20%程度を占めると見ている。
 
一方、不動産業界の『バブル状況』も指摘されていて、首都圏の商業地域の土地価格が3年間で30%近く上昇するなど、1997年のアジア通貨危機以来の高水準となっている。
 
また市中銀行による不動産関連融資が全融資残高の22%にも上っていることも要注意とされた。
 
このように報告書はフィリピンの経済成長率は高評価を与えているが、大きな貿易国である中国や日本の経済状態が低迷し、フィリピンに対する投資や輸出が落ち込むことも考えられ、楽観は許されないと警告を与えている。