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ミャンマーでは、EUがアパレル輸出成長の原動力に

 
「かつては縫製部門において、手作業で生地を裁断し直す必要がありました。SMARTミャンマーチームは、機械によって厳密に指示通りに裁断処理する工程を確立することを我々にアドバイスしてくれました。その結果驚くべき成果をあげ、もはや縫製部門において裁断のやり直しの必要はなくなり、年間約3600米ドル(1万3000  Bt.:タイバーツ 注Bt.はタイバーツと思われますが、米ドルに換算すると、約360米ドルとなり、英文本文と一桁異なります。)、内訳として65.4%は原材料費として、34.6%は労務費として、費用を節約することができました。」とThet Su Zin Win工場長は述べた。
 
彼女は、労働衛生安全基準や人事慣例、明確なポリシーや手続きの実施、労働者とのコミュニケーション、原材料の効率的利用などについて学ぶ様々な勉強会を通じ、会社の運営状況が大幅に改善されている、とした。「こうした勉強会に参加する前は、あるヨーロッパのクライアントに当社の製品が国際基準を満たしていないと指摘され、発注をキャンセルされたこともあります。今、その状況は改善され、我々は日本、ドイツ、オランダから受注しています。」と述べた。
 
このプロジェクトのおかげで、Myanmar Synergy Garment社はまた、新たにオランダ、イギリス、フランス、韓国からの受注も獲得した。
 
「私はヨーロッパへの調査団に参加しました。この調査団は業界に関連する見本市を歴訪し、私はEU市場に関する情報を収集することができました。この旅によって、ヨーロッパのお客様が何を望み、我々がどのレベルの品質の製品を求められているのかについて、知見を得ることができました。」とMin Gaung Ooマネージングディレクターは述べた。
 
過去3年間で、SMARTミャンマープロジェクトチームは、彼の工場で12回もの勉強会を開催した。この勉強会では、アパレルやコンプライアンスの専門家らが、労働条件や環境を改善する方法について助言を行い、さらに児童保護政策、エネルギー、安全衛生問題、および人事管理に関する知識も教授された。
 
両社の幹部は先週、SMARTミャンマープロジェクトのフェーズ2キックオフイベントに出席した。フェーズ1には数十社もの地元の縫製工場が参加し、30万人以上の女性労働者に雇用もたらすという成果をあげた。
 
フェーズ2となる次の4年間においては、社会的なコンプライアンスや人事管理支援などの前回の活動領域をさらに拡充した上で、同時に持続可能な生産活動や購買活動における透明性の推進など、新しい活動にも着手する予定としている。第1、第2フェーズにおける活動資金として、480万ユーロを必要とする。
 
このSMARTミャンマープロジェクトは、その生産性向上と環境保全に資する助言が評価され、ミャンマー縫製業者協会(MGMA)によって熱く歓迎されている。MGMAのMyint Soe会長は、労働者の能力向上はミャンマーがEUに衣料品輸出の増加を望むのであれば絶対必要な要件である、と指摘した。
 
EUへの衣料品輸出は、一般特恵関税制度(GSP)の下で関税優遇を享受している。
 
photo by EU Humanitarian Aid and Civil Protection on flickr