2016年3月29日

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NTTデータ、米デルのIT部門買収で「鬼門」北米市場にリベンジ

NTTデータ、米デルのIT部門買収で「鬼門」北米市場にリベンジ

NTTデータが米デルからITサービス部門を買収することで合意したと3月29日付の日本経済新聞が報じた。

デルが2009年に買収した旧米ペロー・システムズを中心とする関連3社のすべての株式をNTT子会社のNTTデータが取得する。取得額は30億5500万ドル(約3500億円)。NTTは海外事業の強化に向け、かつて苦杯をなめた「鬼門」の北米に再挑戦する。

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一部費用は算定中とし、買収総額は膨らむ可能性がある。今夏の買収完了を目指す。NTTグループでは過去3番目の大型買収となる。
 
デルのITサービス部門は米国内に医療向けクラウドサービスなどで広範な顧客網を持つ。その中枢となっているのが米実業家のロス・ペロー氏が創業した旧ペロー・システムズだ。ペロー氏が米政府に持つ人脈をつてに医療システムの受注に成功。一度は米自動車大手ゼネラル・モーターズ傘下に入ったものの、再び独立。1988年にペロー・システムズを設立した。
 
NTTデータは北米進出に向けて、同業の米キーンを買収していた。ただ、米テキサス州交通局や米外食大手からの受注に成功したものの、北米の売上高は15年3月期で1752億円にとどまる。旧ペローが持つ安定した顧客網を追加し、成長を加速させたい考えだ。
 
NTTグループにとっても海外事業の強化は待ったなしだ。18年3月期までに海外売上高を現在より5割増の年間220億ドルに引き上げるという目標を実現するには大型買収が不可欠と判断した。そこに舞い込んだのがデルからの打診。NTTグループ幹部は「まさか再びチャンスが来るとは思わなかった」と話す。
 
北米への再挑戦。ペローが持つ医療分野の安定した顧客基盤はNTT幹部の目に「安心料」と移ったはずだ。ただ買収後の相乗効果は見えず、課題も多い。リターンマッチを北米での飛躍に繋げるにはグループの総力を挙げた取り組みが欠かせない。
 
photo by Jjpwiki

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