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トルコ国民のEUビザなし渡航、7月開始は困難に

 
ビザ免除措置はトルコとEUが3月に署名した難民協定に基づくもので、トルコはその実現に向けてEUの定める72項目の基準をすべて満たさなければならない。ほとんどの項目で対応が済んでいるが、テロ対策法についてはエルドアン大統領が改定を拒んでいる。
 
EU側はテロ対策法が本来のテロリストばかりでなく、知識人・ジャーナリストを投獄する根拠としても用いられていると批判。「テロ」の解釈を限定する方向で改正を求めている。
 
トルコでは今月5日、難民協定交渉で中心的な役割を果たしたダウトオール首相が辞任を表明した。エルドアン大統領との対立が原因とみられ、今後、協定が機能するのかどうかに不安が広がっている。
 
■議員不逮捕特権はく奪の改正法案~大統領の権限強化に拍車
 
トルコ政治の強権化については、慎重派と目されるダウトオール首相の辞任に加え、20日に議員の不逮捕特権をはく奪する時限的な憲法改正法案が成立したことで懸念がさらに高まっている。
 
同法は検察庁が捜査を始めた時点で不逮捕特権が消滅する内容で、国会議員550人中138人に適用される。最も強い打撃を受けるのがクルド系左派の国民民主主義党(HDP)で、議員59人のうち50人が対象となる。捜査の容疑は汚職、大統領侮辱罪などだが、HDP議員についてはクルド労働者党(PKK)に協力した「テロ支援容疑」が多く、重罪に問われる可能性が強い。
 
1年以上の懲役判決が下ると被告は自動的に議席を失う。空席が28になると補欠選挙が行われるため、大統領の与党・公正発展党(AKP)の議席増が見込まれる。
 
AKPの議席数は憲法改正に必要な3分の2より11議席少ない。不逮捕特権のはく奪は、大統領への忠誠で知られるユルドゥム運輸相を次期首相に据える人事とともに、大統領の権限強化に向けた憲法改正への布石とみられている。
 
photo by Björn Bechstein on flickr