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中国の縫製業が、最後の低コスト拠点としてミャンマーに熱視線

 
「ミャンマー・ライジング:アジア最後の生産フロンティアとそのチャンス」と題された報告書では、ミャンマーは魅力的な月額約90米ドルの最低賃金で低賃金労働力が豊富なだけでなく、EUの特恵関税制度(GSP)等の貿易上の特典や、市場、中国・インド間の戦略的立地という条件があり、中国の製造業企業にとってますます魅力的になっていると論じている。
 
2013年の特恵関税適用により、ミャンマー縫製製品輸出成長の鍵としてEUはその重要性を増している。2014年にはミャンマーの縫製製品輸出総額の23%がEUへと出荷されている。米国が経済制裁を緩和し、さらには特恵関税制度の適用もあるのではないかとの見込みにより、ミャンマー縫製業協会(MGMA)は今後数年にわたって縫製産業はさらに大きく成長し、現在の雇用数25万人からさらに約150万人が新規雇用で増員され、2020年までには輸出額は120億米ドルに達すると見込んでいる。
 
同時に、ミャンマーは世界貿易機関(WTO)のメンバーで、最恵国待遇(MFN)を受けているため他のWTO加盟国に低関税で輸出することができる。しかし、ここ数年のミャンマーの縫製分野輸出の拡大においては特恵的待遇がより重要な要素であった。
 
ミャンマーはまた、他のアセアン諸国より低い関税率を課しており、2013年には最恵国待遇関税率の平均と同じ5.6%であった。一般的に、ミャンマー製造業の原材料として必要な物資への低い関税率のおかげで、生産コストの面でも近隣国と比較して競争力を高く保つことができているとHKTDCの研究報告書は分析している。
 
現在、縫製製品がミャンマーの非農業製品輸出の大きな部分を占めており、「裁断・縫製・梱包(CMP)」という形での加工貿易がミャンマー製造業の中心となっている。
 
この報告書はNKTDC研究部が最近行ったミャンマーでの現地調査に基づき作成された。報告書ではミャンマーの政治経済概況、民主的に選ばれた新政権の運営、直接外国投資誘致のための経済改革への政府の強い意図、投資制度の調和、経済特区(SEZ)やインフラ開発について述べられている。