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EUのスペイン・ポルトガルへの制裁見送り、加盟国が承認

EUのスペイン・ポルトガルへの制裁見送り、加盟国が承認

欧州委員会は9日、EUの財政規律に違反しているスペイン、ポルトガルへの制裁見送りを加盟国が承認したと発表した。これによって財政規律をめぐる初の制裁発動が回避されることが決まった。

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EUの財政規律では、各国に単年の財政赤字をGDP比3%以内に抑えることを義務付けている。違反したユーロ参加国は過剰赤字是正手続きを適用され、是正を怠れば国内総生産(GDP)の最大0.2%に相当する罰金の支払いを命じられる可能性がある。これまで制裁が発動された例はない。
 
スペインとポルトガルは金融危機の影響で財政が悪化し、09年から過剰赤字是正手続きを適用されており、スペインは16年、ポルトガルは15年までの是正を求められていた。しかし、両国は14、15年の赤字削減目標を達成できなかったため、欧州委は7月に制裁手続きに着手した。
 
それでも欧州委は、英国のEU離脱が決定した直後だけに、制裁発動によって両国でも反EUの機運が広がりかねないと懸念し、7月末に制裁見送りを加盟国に勧告。期限の9日までに異議を唱える国がなかったことから、勧告が正式に承認された。
 
スペインとポルトガルは同時に、財政規律違反を解消する期限の延長が認められた。スペインは18年、ポルトガルは16年に財政赤字をGDP比3%以内に抑えることが求められる。その実現に向けた新たな財政再建策を10月15日までに提出する必要がある。
 
また、両国は巨額の罰金を逃れたものの、EUが補助金の一部の支給を凍結する可能性は残っており、欧州委は秋以降に欧州議会と協議しながら同措置実施の可否を判断する。

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