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カンボジア・フン・セン首相、縫製労働者に生産性向上を訴える

 
「最低賃金が月額60-80米ドルのミャンマー、100米ドルのラオス、100米ドルのバングラデシュにカンボジアから工場が移転しつつあります。企業がカンボジアを見限るかもしれないのです」と首相は述べた。
  
Economist Intelligence UnitのMiguel Chancoアセアン首席アナリストは、ミャンマーやバングラデシュは「国内での労働者雇用が高額になりつつあるカンボジアの縫製産業にとって真の脅威となっている」ことを認める。
 
「2013年以降のカンボジア縫製産業での最低賃金の急激な上昇により、カンボジアで誰かを雇うのはミャンマーやバングラデシュに比べるとおよそ2倍高くつくことになったわけです。縫製産業の労働集約的な性格を考慮すると、これは深刻な問題です」とChancoアナリストは取材に対しメールで回答した。
 
カンボジア縫製業協会のKaing Monika副会長は、ミャンマーやバングラデシュの脅威を否定することはできないと話す。「好むと好まざるとにかかわらず、ミャンマーやバングラデシュはすでにカンボジアの競合国リストに加わっています。これは脅威ではなく、カンボジアがこれら諸国よりよい成果を上げる必要があるということです」
 
Solidarity CentreのWilliam Conklinカンボジア事務所長は、状況はより複雑であり、労働者がもっと働けば解決するわけではないと話す。「生産性を向上させるには、まずは雇用者が労働者に適切な労働環境を提供しなければなりません。共に縫製産業を守り、発展させていくためには、関係者全てに取り組むべき課題があります」とConklin所長は述べた。
 
しかし、労働者運動共同労働組合のPay Sina会長は、工場移転の理由は賃金問題ではないとし、賄賂、インフラ問題、高額な電力価格など、長年問題となっている課題を挙げる。「企業にとっては高額な輸送費と電気代が問題の場合もあります。こうした費用が他国より高いのです」とSina会長は話す。
 
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_2637.html