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デンマーク、「世界で最も幸せな国」と呼ばれる理由とは

デンマーク、「世界で最も幸せな国」と呼ばれる理由とは

貧困者がいない、大同思想(孔子が描いた至公無私の平和な社会)の「老年の者は安心してその生を終え、壮年の者はその才能に従って尽力し、幼年の者は健やかにその成長を遂げる」という考えが、なんとこの雪国、デンマークで実現した。これは全世界で最も幸せで完璧な国家と言えるだろう。

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デンマークの第二の都市であるオーフスの街道の、花屋の露店には主人がいない。お客さんは花の値段に応じて空の植木鉢にお金を置いていく。このような無人販売は信頼関係のある社会でしか続けることはできない。この国では社会的地位や富裕の有無に関わらず、人は同様に尊重される。デンマークは皇室でさえ簡素な生活をし、女王は自分で市場に行き買い物までしている。
 
 ◆ 国民の幸福度が高い
 
統計専門サイトActuality.comによると、2014年度デンマーク国民1人当たりの所得(GNI per capita)は61310米ドル(約720万円)と裕福であることが分かる。(同年の各国の国民平均所得:アメリカ5.52万ドル(約650万円)、日本4.2万ドル(約490万円)、韓国2.70万ドル(約310万円)、中国7400ドル(約87万円)。また2006年7月にイギリスのレスター大学の社会心理学者ホワイト教授が世界幸福地図(World Map of Happiness)を作成したところ、178カ国中デンマークは1位であった。(ちなみに、日本は90位)
 
デンマークは北欧に属し寒冷地帯にある。最南端の所でも北海道よりさらに北に位置する。毎年1月の日照時間はわずか5~6時間しかないので、0度以下の中で外出しなければならず、帰りは真っ暗な中を帰宅する。
 
◆ 社会での誠実さを遵守
 
デンマークの親たちは、天気が次第に悪化しているにも関わらず、子供が外にいることを気にしない。両親は外は寒いと分かりながらも、ベビーカーに乗った赤ちゃんを店頭において、自分たちは店内で買い物をしたりお茶をしている光景がよく見られる。親たちは子供の体力と精神力を鍛える為だと考えているので、子供が寒くても気にしないという。それより驚くことは、親たちは子供が誘拐されることを恐れていないことだ。なぜならこの社会では互いの信頼度が高く、人々は利益や物で争う必要がないからだ。
 
デンマーク人は、見張る人や監督する人がいなくても社会規則を遵守し、一つの理念を実践して、いつものように行い遂げている。例えば、デンマーク人は暴雨でも自転車をこぐ。なぜなら彼らは、自分たちが積極的に地球温暖化に対応していると考えているからだ。
 
デンマーク人は皆それぞれ身分証明の番号が一組書かれた黄色いカードを一枚持っている。政府がこの番号を調べれば、納税、信用、犯罪、医療などの記録が明記されており、詳細な個人情報が分かる。一生を記録されたこの番号は、一人一人が誠実で信用されることを促している。デンマークでは信頼度指針が89%で、人と人との間に平等と尊重がある。この安心感がデンマーク人の幸福感へとつながっているのではないだろうか。
 
◆ 相互尊重
 
この国では、社会的に弱い立場の人々とお金持ちは同等に尊重される。2006年国連の『人間開発報告書』によると、デンマークの貧富の格差は世界2番目に小さい。先進国の中では1番である。基本的に貧しい人がいないと言われるのは、国民全員が同じスタートラインに立っているからだ。このことは社会福祉と教育の両面によく表れている。
 
◆ 教育は無料
 
デンマークの学校では成績が優秀な学生を表彰しない。12歳以下の生徒には通知表がない。人と比べるより、先生と親は子供に才能を伸ばすことに重点をおく。公立学校の場合、小学校から大学まで、無料で教育が受けられるだけではなく、勉強しながら、お金をもらえる制度もある。18歳以上の学生は生活補助金がもらえ、金額は家族と同居しているかどうかによって増減される。
 
「生涯学習」はこの国ではただのスローガンではない。デンマーク人は1人当たり、本を借りる比率は世界2番目に高い。人口100人当たりブロードバンドの普及率は世界1位。学費を支払う壁がないため、生涯学習が成り立つのだ。私立学校に通う場合でも、政府から75%の補助を受けられる。デンマークで私立学校は貴族のステータスではなく、子供に特殊な技能、例えば、芸術や体育を学ばせるために通わせる。
 
◆ 職業に貴賎なし
 
デンマークの副首相は農業学校の出身であり、大臣クラスには高校卒業の人もよく見られる。生涯学習を通して、彼らは国を治めることができる。デンマークの価値観は、職業に貴賎なし。農民であれ、職人であれ、仕事のミスマッチを後悔する人はいない。
 
暗い夜が20時間もある冬が訪れると、デンマーク人の学習シーズンの到来を意味する。「クラブ」という存在が有名なデンマークでは、冬に入ると、人々は暗くなってからの時間を利用し、様々な学習クラブに参加する。童話の世界のような「新港」のそばでは、オーシャンブルー、クリームイエロー、オレンジ、ライトグリーンなどの色鮮やかなモグハウスが立ち並んでいる。
 
◆ 制度は清廉潔白
 
2005年5月、移民業務に携わる下級官僚が中国留学生から賄賂を受け取ったことで摘発された。収賄事件の金額は日本円にして約120万円だが、「デンマークで30年ぶりの最も大きな賄賂」と報道された。
 
この他、デンマーク政府は機密文書を除いて、各部門の報告、法令はすべてマスコミに公開され、透明性を保っている。外国人記者にも知る権利が与えられている。
 
◆ 社会保障制度の完備、国民は生活を心配せず、互いに助け合う
 
デンマークでは幼稚園から大学まで無料で教育を受けられる。博士学位を取得したばかりの青年ハーゲンさんは「信頼性の高い社会では、人々はまるで透明な泡の中にいて、自分は他人と同じように教育や就職の機会が保証され将来が見えるから、心配しない」
 
デンマークは典型的な高収入、高税国。所得税率は50-70%にも達している。多くの税収は社会福祉や教育に使われている。なぜデンマークの国民はこんなに高い税金を払ってもいいと考えるのか。高収入者はなぜ税金逃れをしないのか。コペンハーゲン空港の執行役員の一人、ニルスさんは笑いながら答えてくれた。「納税は一種の責任だ。私もお金持ちの一人だと思う。私が税金を払ってもいいと考えるのは、路上に貧しい人を見かけたくないからだ」
 
この国では、お金持ちの人は進んで税金を払い、恵まれない人を助ける。議員エース氏が「100円を稼ぐと、60円を税金として納めなければならない。これはお金の問題ではなく、立場の問題だ。能力のある人は、恵まれない人を助けるべきだ」と言う。デンマークでインタビューをする時に、よく聞かれる意見だった。高い税率に不満を漏らす人はほとんどいなかった。
 
デンマークは世界最大の風力発電用ブレードメーカー、海運会社を持っている。バイオ製薬、工芸、デザインは世界で高い評価を受けている。豚肉やベーコン、ソーセージ、植物の種などの世界シェアでトップを占めている。
 
◆ 皇室と高官に特権なし
 
デンマークの王室も法律を守り質素な生活を送らなければならない。女王はいつもたった二人のSPを率いて、静かに教会に入り礼拝に参加される。それを見た国民が、「彼女がたった二人のSPを連れて現れた時、私はびっくりした。不思議だった。女王は自分でスーパーへ行って買い物をされるそうだよ」と言った。
 
ネットをよく使うデンマーク人は、いつでもネットで王室の主要メンバーが使う予算をチェックできる。女王、女王の夫、王子、王妃などが含まれ、内容が細かく掲載されている。
 
デンマーク人にとって、最も権力のある人とない人の格差は非常に小さく、極めて平等な国と言える。
 
(翻訳編集・淳明、紫蘇)
 
ソース:http://www.epochtimes.jp/2016/12/26388.html

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