2017年1月6日

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ダイソー、ブラジル進出の挑戦、Eコマース展開も

ダイソー、ブラジル進出の挑戦、Eコマース展開も

大創産業(だいそうさんぎょう)は100円ショップのダイソーを運営する企業であり、日本国内に3000 店舗弱、日本国外の26 の国・地域に約1400 店舗を展開している。

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その海外展開の一番最後が、このブラジルサンパウロである。
 
<旗艦店オープンまで>
 
2011年、ブラジルの内需は大きな可能性を秘めていることを調査で確認し、2012年1月にブラジル現地法人を設立した。
 
内需が大きいがビジネスは難しいという言葉が先行し、当地でのビジネスモデルがはっきり描き切れない中、まずフラッグシップ店をオープンさせることになり、店舗物件を探しに駆けずり回っていたものの、まともな物件は本当になかった。
 
あの時期は、物件も完全に売り手市場で、店舗取得に数千万円の権利金を要求されるのも当たり前で、オーナーから酷い扱いを受けながらしらみつぶしに一軒一軒物件交渉を行っていった。
 
何とかセントロの物件を押さえられたものの、同時に商品輸入の大きな壁に喘いでいた。
 
<輸入までの道のり>
 
会社を設立したものの、最も大きな障壁である、財務省連邦収税局にRadar という輸出入業者の登録をしなければならない。しかも、年間輸入金額が制限のある資格と、無制限資格の2タイプがあり、ダイソーの場合、スタートから無制限資格を取得できないと数か月でリミットを越えてしまい、商売として成り立たない。
 
しかし、新設して間もない企業は、営業実績がないため金額制限付き資格しか与えられないのが一般的と言われており、数年の実績を伴ってから無制限の資格に切り替え申請を行うよう、収税局や知り合いの日系企業からも助言されていた。
 
だが事態は深刻で、既に新店分の数コンテナはサントス港に向けて出港しており、後戻りはできない状況に陥っていた(次ページへつづく)。 
 
いろいろ調べてみると、ビジネスが如何に具体的かを当局も見ているとの話を聞き、単なる申請用紙以外に、如何に現実味のあるビジネスプランか、を徹底的に纏め、知人の紹介を受けた弁護士の手も借りて提出したところ、奇跡的に1か月でRadarの取得を行うことができた。
 
その頃たった一人だけであった部下と二人で飛び上がって喜んだのが昨日のことのようである。
 
<通関の壁>
 
これで通関の準備は整った。コンテナもサントス港に到着したが一いっこうに通関できる気配がなく2か月が経過した。
 
各コンテナに数百もの商品のアイテム数があり、しかも商品名見ただけでは何かわからないような商品リストの山積みのドキュメントを税関が見て、全商品一品一品のチェックと検査をしなければならないためその作業に数か月の時間と莫大な費用が掛かるとの一点張りであった。
 
輸入通関に長けたDespachante(通関業者)までもがとうとう音を上げたため、最後の賭けと思い、次の日に税関のトップに直接掛け合い、日本のビジネスモデルを伝え、物価高に苦しんでいるブラジルを助けるのが私共の使命である旨を強く伝えた結果、奇跡的に次の日に全てのコンテナの通関を許可してくれた。
 
ブラジルは不思議な国で、道が閉ざされたと思ったところからが始まりではないのではないかと感じている。
 
<従業員教育について>
 
社員には日本の小売業の精神や、朝礼終礼の徹底、更に従業員の数学の基礎学力の無さを少しでも補ってもらおうと、社内で作成したオリジナル計算ドリルで毎日計算の訓練をさせている。
 
やはり毎日の労働がキャリアアップに繋がり楽しいものだと少しでも思ってもらえれば、離職率の低下や労働問題も回避できると考えており、自然とこのような我々の考えが浸透しているのか、店頭でレジ前にできた長蛇の列を明るく効率良くさばくブラジル人スタッフを見て、彼らの成長を嬉しく感じている。
 
<経営理念について>
 
現在、270名程度の従業員数であるが、彼らの各家庭環境を知ると、日本の貧困などとは比較にならない状況に身を置いて暮らしている者も数多くいる。
 
そんな彼らと共にダイソーという小売業を発展させていくには、彼らにも成長してもらうことでしか会社の発展はない、というのを身を持って感じている。それ故、ブラジルダイソーでは盛和塾会長でもある稲盛氏の経営理念でもある、「全従業員の物心両面の幸福を追求する」という目標を常に持ち、
彼らと共に成長するよう努力している。
 
<今後の展開について>
 
2016年末現在、フランチャイズ含めて22 店舗を展開。そして、消費者ニーズが非常に大きかったEコマースを12月から開始した。
 
2017年以降も、毎年10店舗近くの出店をし、日本の小売業をより身近に感じてもらえるようになりたい。
 
ソース:http://megabrasil.jp/20170105_33359/
 
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