海外ビジネスニュースを毎日配信!− DIGIMA NEWS

EUは崩壊?世界で台頭する「ポピュリズム」が日本企業に与える影響は

 
欧州では2017年、主要各国で大型選挙を控えている。3月15日には「オランダ議会選」、4〜5月の間には「仏大統領選」、6月には「仏国民議会選」、10〜11月には「独連邦会議」、年内に「イタリア総選挙」も行われる。その中で、米トランプ政権や、英国のEU離脱交渉の影響もあり、「ポピュリズム」の勢力が増しているのである。
 
大統領選を控えるフランスでは、極右国民戦線党首のルペン氏が前評判を覆し、人気を高めている。欧州各国で相次いだテロや英国のEU離脱に対し、極端な右派的政策を掲げることで一部民衆の不満を鼓舞する「ポピュリズム」が台頭しているのである。ドイツでも多くの難民を受け入れてきたメルケル政権であったが、相次ぐ難民問題を受け、右派ポピュリスト政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が勢力を拡大しているのである。他にもハンガリーやポーランドではすでに右派政権が誕生している。
 
そのような、欧州での「ポピュリズム」の台頭により予想されることは、EUの崩壊だ。EU主要国であり経済の主軸となっているフランスやドイツの「ポピュリズム」政権誕生が実現し、英国に続くEU離脱を表明することになれば、EU崩壊は避けられない。そして、EU崩壊は、海外進出を進める日本企業にも大きな影響を与える。
 
2016年末から、日本とEU間で経済連携協定(EPA)の合意に向け、話が進められていた。円安も後押しし、輸出を後押ししたい日本は、EPAにおいて自動車関連品の輸出品の関税撤廃の交渉も進めていた。
 
しかし、EPA合意以前に、仮にEU崩壊が決定すれば日本企業は今後、各国と交渉を進めていかなければならなくなるのである。EUという1市場から、複数市場として日本は進出を検討していかなければいけなくなる。もちろん、元々各国により市場状況等は異なるが、大きな影響は「進出ノウハウ」の部分に出る。日本企業は、各国により変わることが予測される通貨や法規制、通関制度などの「変化」に対応しなければいけなくなる可能性が十分にある。2017年、欧州における「ポピュリズム」の台頭から目が離せない。
 
>>>合わせて読みたい『【保存版】2017年の海外ビジネス「7大予測」、日本企業への影響は?』