2017年4月3日

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ベトナム中流階級が選ぶファッションブランドとは? 〜成功者のための服〜【下編】

ベトナム中流階級が選ぶファッションブランドとは? 〜成功者のための服〜【下編】

(中編より)

H&Mはまだ第一号店の場所を発表しないが、今後さらに多くの情報を提供していく予定としている。「いかなるマーケットにおいても、我々は常に商店街やショッピングモールの中で最高の場所を探しています。」とBarari氏は述べた。

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直面する課題
 
男性、女性、ティーンエイジャー、子供などすべて層の顧客を対象とし、数千平方メートルもの敷地の店舗に集客する国際ファッションブランドにおいては、立地が最も重要な成功要因である、と業界関係者はいう。
 
小売業者は店舗の場所を選別する際に、業態によりその優位性に大きな差がある。
 
例えばホーチミン市で最初の旗艦店をオープンさせるあるファストファッションブランド最大手は、総面積2000平方メートル以上ある一等地を探し出した。
こうしたブランドは多くの買い物客を引き寄せ、ショッピングセンター全体の売上を増加させる可能性が高いために強い交渉力を持っており、土地所有者からより有利な賃借条件や商業取引条件を獲得することができる。
 
また、ショッピングセンター内のファッションブランドに同等かそれ以上のブランドが入っているかどうかも重要な成功要因である。
一つのショッピングセンター内に同等レベルのブランドが複数入っていれば、顧客にとってその場所での買い物がエキサイティングで印象深いものになる。
今のところ、ハノイとホーチミン市が小売市場にとって主要な2大都市であるが、ハノイの方がVingroupによって開発されたショッピングセンターのおかげで、南にあるホーチミン市よりも商業地の供給が少し多い状況にある。
 
ハノイには買い物客が一日中ファッションや雑貨を買ったり、食事を楽しんだり、レジャーやスパ、その他の娯楽に興じることができる4万平方メートル以上の大規模なショッピングセンターがいくつかある。
 
ハノイのショッピングセンターの平均賃貸料は郊外の賃貸料の下落により、2016年には前四半期比で7.6%の低下となった。
それでも市街地における土地の供給不足により、2017年には郊外で新しいショッピングセンターを開店する動きが続いている。
 
2017年は、郊外での新たな開業が少なくとも述べ10万6000平方メートル相当もあり、競争は一層激しくなることが予想されている。
一方でCBREベトナムによると、2016年にはホーチミン市に17もの有名な国際ブランドが開店し、2015年と比較して3倍の増加となった。
 
店舗に最適な立地の供給が限られている中、多くの新規ブランドの参入は店舗賃料を急激に上昇させる要因の1つとなっている。
業界関係者らは、新規参入小売業者が製品やプロフェッショナルな国際基準のサービス提供だけでなく、新形態として実店舗とオンライン店舗両方の運営(bricks and clicks)を行っていると指摘した。
 
ベトナムでのオンラインショッピングは、若者や中流階級をターゲットとするZalora、Lazada、Metaなどによって人気を博しており、高いレベルのアフターセールスサービスと共に顧客に利便性を提供している。
 
またNgo氏によると、ベトナムは外国ブランドが独自に営業するにはまだかなりの制約があるため、多くはライセンスやフランチャイズモデルを通じて参入しているという。
「国際ブランドとそのライセンス契約企業やフランチャイズ店が直面している大きな課題として、今も高額でありながらさらに高騰し続ける賃料や、近代的なショッピングセンターの不足、バイクや自動車による交通問題、現在建設中ではあるものの電車など大規模都市交通システムの未発達、そして低価格帯で消費者を引き付ける地元ブランドとの厳しい競争などが挙げられます。」と彼は述べた。
 
確かに市場にはまだ困難があるものの、国際ブランドは消費者信頼感指数(CCI)を基に、長期的にはベトナムの潜在的な可能性を感じている。
Infocus Mekong Research 2017によると、全国3200人の消費者を対象に調査した結果、2017年はCCI全体に若干の落ち込みが見られたものの、調査対象者の82%が 2017年の経済は2016年と同等か、良くなるであろうと考えており、引き続き高い消費意欲に支えられて活気付く見込みであるとしている。
主要な成長分野として、教育、外食、娯楽、個人医療、食料品などが想定される。
 
2017年の購買は、携帯電話、ラップトップコンピュータ、モーターバイクに動かされており、消費支出がより高額な商品に向かっていることを示している。
興味深いことに、こうした支出の大半は貯蓄の取り崩しによって賄われており、調査対象者のうち53%が、貯蓄が毎年減っていると回答し、驚くべきことに購買のために銀行から融資を受けていたりする者もいる。
 
2016年には調査対象者の40%が銀行融資を受け、そのうち42%が個人的な商品を購入するのにローンを利用したが、こうして購入した商品には国際ファッションブランドがほぼ確実に含まれていると考えられる。
 
「このようにベトナム経済は上昇軌道にあり、特にベトナムの都会の女性の間では国際ファッションブランドに対する欲求と需要が確実に増加することが見込まれています。」とMatthaes氏は結論づけた。
  
Photo by Elvert Barnes on Flickr
  
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ソース:http://apparelresource.asia/news/item_2810.html

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