2017年4月13日

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ネット✖シェア=イノベーション、東南アジアで飛躍『配車アプリ』

ネット✖シェア=イノベーション、東南アジアで飛躍『配車アプリ』

欧米のみならず、東南アジア各国で急普及を見せる配車アプリ。利用者からは低価格でどこにでも呼べる利便性が評価されている。東南アジアでは、米配車アプリ「uber」を筆頭に、インドネシアバイク配車アプリ「GOJEK」やシンガポール配車アプリ「Grab Taxi」がシェアを拡大していて、日本企業の出資も拡大している。

 

インターネットの普及とシェアリングコミュニティが新たなイノベーションを起こしている。

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東南アジアでの配車アプリの普及の背景には2つの理由がある。1つ目はスマートフォン(スマホ)の普及だ。経済成長に伴う中間層・富裕層の増加、そしてスマホの低価格化により、スマホはアジアでも市民の手の届くものとなっている。それにより、アプリの普及も加速している。
 
2つ目は、東南アジアがタクシー社会であることだ。近年、高水準での経済成長を続けるも未だ発展途上中である東南アジア新興国各国では、都市鉄道などの交通インフラのみ整備が残る。そのため、特にインドネシアやベトナムではタクシーが市民の足になっている。
 
その一方で、タクシー会社や交通未整備による渋滞状況への不満があった。タクシー会社に対しては「態度が悪い」や「遠回りをする」などの声が上がる中で、メーターではなく事前に料金が確定され、オンライン決済可能なシステムはシェアを伸ばしている。そして、インドネシア首都ジャカルタなどでは特に渋滞が深刻で、タクシーではなく、渋滞をすり抜けれる「バイクタクシー」の配車アプリ「GOJEK」がシェアを伸ばしている。
 
また、低価格の中、タクシーと異なりどこでもスマホ1つで、目的地まで届けてくれる配車ができるというのは大きな魅力となっている。
 
その中で、日本企業も東南アジアでシェアを伸ばす配車アプリへの出資を拡大している。ソフトバンクは「Grab Taxi」に7億5000ドル出資。東南アジアでのサービス拡大とモバイルによる支払い機能の向上に投資した。
 
また、ホンダも同社の戦略的投資家となり、東南アジア地域での二輪車配車サービス事業を拡大する提携を結んだ。配車アプリは、インターネットとシェアリングコミュニティを活用したイノベーションであり、今後日本でも注目の産業となる。
 
しかし、やはりそれにタクシー会社は反発。ベトナムでは、Uberを利用する車両はタクシーではない無許可営業だとして、サービス開始から2015年1月末までに69件を摘発、総額180万円の罰金処分を科した。
 
ジャカルタでは2016年、タクシー運転らによる大規模なデモが行われ大混乱が起きた。さらに2017年に入り、バリでもタクシー運転手によるデモが起こり、今後最低賃金の設定や台数制限などの規制が設けられる可能性がある。
 
シェアリングコミュニティが普及すれば、上記のような必ず反発は生まれる。そこで、イノベーションの中でも既存のリソースを取り込んだ取り組みが求められる。

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