ブラジルでは年に153日も税金を払うためだけに働く!? 納税のためだけに働く年間日数のランキング、日本は…!?
ブラジルで商売をしたり、ブラジル企業と取引をすると実感するが、ブラジルには直接税・間接税問わず実に様々な税金があり、税制も非常にわかりづらい。ゆえに納税義務を果たしクリーンでいることはとても難しいが、まじめに払おうとすると勤労意欲がそがれるのも事実だ。
税金が実際にいかほど高いのかはっきりと実感できるデータが、このほどブラジル税務管理院(IBPT)から発表された。
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グローボ系ニュースサイト「G1」が6月2日づけで伝えたところによると、IBPTはブラジルの平均的所得層家庭で2016年の実績で所得の41.8%が税金として徴収されたことになると発表したという。
ここでいう「税金」は、連邦、州、市などすべての行政レベルで課される所得税、資産税、消費税を含む。
41.8%とは日数にすると153日(5か月と2日)で、納税者はその期間、ただ税金を払うためだけに働いている計算になる。ちなみに、IBPTの記録では1970年代には70日だった。
所得層によって税率は多少変動する。中間層と呼ばれる、月収3000~1万レアル(約11万円~38万円)の家庭が最も税負担が重く、44.54%、日数にして163日となった。1万レアル以上の所得層では42.62%(156日)と中間層より少し下がる。
IBPTはまた、すべての公共機関の発注を検証するプロジェクト「LUPA」からの報告として、贈収賄に回る資金には納税者の29日間の所得が費やされていることになると発表した。
プロジェクト「LUPA」は連邦政府、州政府、市町村などすべての団体の支出関して民間企業どうしの取引と比べて金額的に乖離していないか監視している。
ちなみに、この税の負担の高さは国際的にみると上から8番目で、ノルウェーのすぐ下になる。このランキングでは27か国のデータが公表されている。
IBPT代表のジョアン・エロイ・オレニッキ氏によれば、ノルウェーでは納税額は高くても納税者は医療、公共交通、教育、生活基盤、公共サービスとして還元を受けられる。この点がブラジルとの大きな違いだという。
「ブラジルでは何の見返りもないにもかかわらず、多額の支払いを強いられるのです」(オレニッキ氏)
納税者が納税のためだけに働く年間日数のランキングは下記の通り。
デンマーク:176日
フランス:171日
スウェーデン:163日
イタリア:163日
フィンランド:161日
ノルウェー:157日
ブラジル:153日
ハンガリー:142日
アルゼンチン:141日
ベルギー:140日
ドイツ:139日
スペイン:138日
アイスランド:135日
英国:132日
スロヴェニア:131日
カナダ:130日
ニュージーランド:129日
イスラエル:125日
日本:124日
アイルランド:122日
スイス:122日
韓国:109日
アメリカ合衆国:98日
ウルグアイ:96日
チリ:94日
メキシコ:91日
(文/原田 侑、写真/Paulo Pinto/Fotos Públicas)
写真は納税額を公示するサンパウロ商業協会(ACSP)の税金メーター。2016年12月30日、サンパウロ
ソース:http://megabrasil.jp/20170612_36276/
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