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ドバイではパスポートまでもがアプリ化!?

参照:http://gulfnews.com/news/uae/emergencies/now-smartphone-is-your-passport-in-dubai-1.2040149
 
「UAE Wallet」はUAEに居住する人がドバイ国際空港を出発する際に、パスポートの代わりとして使用できるスマフォアプリです。利用には、居住者がもつエミレーツIDカードの登録が必要になります。また使用する際には、スマフォアプリの提示とともに指紋認証も行われます。
エミレーツIDカードは、日本でいう住民基本台帳のようなもので、現地エマラティ(いわゆるドバイ人)もビザを取得している外国人も皆それぞれのIDを持っています。発行する際に指紋の登録をしているので、システムが連動している「UAE Wallet」も他者が使用できないような仕組みになっています。
 
出入国審査場や「e-gate」のような自動出入国審査システムでも利用できるので、出国審査で1人当たりにかかる時間を縮めることができ、手続きを手早くスムーズに済ませられて混雑を緩和する事が期待されます。
現在このシステムは、エミレーツ航空が就航するドバイ国際空港ターミナル3の出国審査時のみ使用が可能です。(こちらは出国手続き時の時間短縮のためのものなので、行先の国へ入国する際は今まで通りパスポートを提示しなければいけません。)
 
例えば日本に行くとき、
アプリで手続き完了、パスポート確認されず @ドバイ空港

日本に到着
入国手続きでパスポート見せる @日本の空港
ということです。
今後、サービスを拡大し他の航空会社での使用も可能にしていくと聞きます。また将来的には空港以外の他の政府機関での手続き時にも、「UAE Wallet」を身分証明書の代わりとして使えるような仕組みに移行するそうです。
参照:http://gulfnews.com/news/uae/government/uae-passport-is-most-powerful-in-region-ranks-22nd-globally-1.2044693 
パスポートでみるUAEと日本の違い
「世界最強パスポートランキング」が毎年発表されているのをご存知ですか。
私たちがもつ日本のパスポートでは、事前のビザ申請なしに多くの国に渡航することができます。2016年現在、ビザ無しで渡航できる国及び到着時にビザが取得可能な国は173カ国と、世界では5番目に“強い”パスポートとなっています。一方で、UAEは2016年現在は122カ国と世界的に見ると38番目の強さですが、2015年と比べると8カ国増えており、今年は7月から日本へ渡航する際の事前申請によるビザ免除が開始されることも発表されています。現在UAEでは、UAE国民が事前のビザ申請なしで入国できる国を増やすために、積極的に外交を行っているので、将来的に様々な国で「UAE Wallet」を使ってパスポート無しに渡航できる日もくるのかもしれません。
参照:https://www.henleyglobal.com/files/download/HP/hvri/HP%20Visa%20Restrictions%20Index%20160223.pdf
 
日本がUAE国民に対して事前申請によるビザを免除した背景には、石油や天然ガスなどエネルギー面の関係強化に役立てることと、富裕層が多いUAEからの訪日客を増やすことが目的とされています。2020年の東京オリンピックに向けて、いよいよ日本のインバウンド事情も変わっていますが、UAEは日本だけでなく様々な国との関係を強化し国際的なハブ都市になろうとしています。