2017年8月30日

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セブ州の市長 固定資産税未納で1年間の職務停止

セブ州の市長 固定資産税未納で1年間の職務停止

セブ州には9市の自治体があり、セブ市と反対側になる西海岸側にある市がトレド市で、人口約17万人強。

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この市長が固定資産税を払わなかったために、8月28日、公務員の犯罪を取り締まる『行政監察院』から、1年間の職務停止を命じられた。
 
市長の名は『ジョン・ヘンリー・オスメニャ』で、2013年から市長を務めるが、この人物、セブを牛耳る政治屋一族の出で、24人しか居ない上院議員の経験を過去に持ちながら、2004年の上院選を現職で落選。
 
その後返り咲きを計ったが落選し、何を思ったかその後セブの田舎といわれるトレド市長選に立候補して当選、現在2期目の81歳。
 
フィリピンはいわば格落ちになる座にしがみつく政治屋が多く、近年でもエストラダ元大統領がマニラ市長を、エストラダを追い出して大統領の座に直ったアロヨは下院議員を務め、それだけ権力の座は美味しい証拠になる。
 
今回、行政監察院が職務停止を命じたのは同市長が所有するセブ市内の土地にかかる固定資産税を滞納していることで、同市長は払っていないのは所有する土地の境界問題が解決していないためで、滞納ではなく裁判で解決するまで保留していると述べている。
 
同市長はこれまで男性に対する不適切行為で告発されたり、セブ州副知事をしたことのある息子が覚醒剤原料輸入に関わっていた疑惑などとかくの話が多い。
 
しかし、オスメニャという政治屋ブランドはセブにおいては絶対的で、同市長の従兄弟には上院議員とセブ市長がいる。
 
今回の税金滞納問題は、オスメニャとセブの政治を壟断する『ガルシ』家との政争もあるのではないかとみられ、トレド市は下院議員のグエン・ガルシア(前セブ州知事)の選挙地盤でもある。
 
オスメニャ家とガルシア家は縁戚関係にあるが、セブ州内の政治の座を巡って骨肉の争いを続けている。
 
こういった地方で政治一族が争うなどはフィリピンにおいてはごく普通で、これが一族による公職の世襲、独占に繋がり汚職の原因ともなっている。
 
現大統領のドゥテルテにしても、ダヴァオ市長を娘、副市長を息子にやらせて大統領に転身するが、その息子に密輸の疑いがかけられているなど、権力の座に座る一族の腐敗ぶりが目に付く。
 
このため、フィリピンはアメリカを倣った民主主義だが、その実態は領主然とした政治屋ばかりで、中世の政治形態と変わらないとまで酷評されている。
 
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news01&config=&command=body&no=421

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