2017年9月19日

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独・フォルクスワーゲン・グループ、2025年までに電気駆動車80モデル以上を発売

独・フォルクスワーゲン・グループ、2025年までに電気駆動車80モデル以上を発売

独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)・グループは11日、電気駆動車に関する新戦略「ロードマップE」を発表した。2025年までに新しい電気駆動車を80モデル以上、発売する。また、遅くとも2030年までに、VWグループ傘下のすべてのブランドの全モデル(約300モデル)で少なくとも1機種の電気駆動車を用意する。

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80モデルの内訳は、純粋な電気自動車が約50モデル、プラグインハイブリッド車は約30モデルを計画している。VWのマティアス・ミュラー社長は「ロードマップE」について、「拘束力のない方針ではなく、自らに課す自己義務だ」と述べ、電気駆動車へと軸足を移す自動車業界の転換を主導する意気込みを示した。
 
同計画を実現すると、VWグループの電気駆動車に搭載する電池の容量は2025年までに年150ギガワット時(GWh)を超えると見込んでいる。同需要に対応するためには、年間の生産能力がギガ単位のバッテリーセル工場が少なくとも4カ所、必要になると試算している。中国、欧州、北米で長期的な戦略パートナーを模索していく方針であり、車載電池の調達規模は今後500億ユーロを超えるとの見通しを示している。
 
VWグループは2016年6月に発表した2025年までの経営戦略「トゥゲザー‐ストラテジー2025(TOGETHER‐Strategy 2025)」で、純粋な電気自動車(BEV)を2025年までに30モデル以上、市場投入する計画を発表していた。「ロードマップE」により、電気駆動車のラインアップをさらに増強する。
 
 
■ 2030年までに200億ユーロ以上を投資
 
VWグループは電気駆動車の量産化に向けた直接的な取り組みに、2030年までに200億ユーロ以上を投資する。具体的には、新モデルの開発、新しい電気駆動車のプラットフォーム2種類の開発、工場の設備投資、従業員の育成、充電インフラ、輸出入・販売、バッテリー技術、バッテリー生産に資金を投入する。
 
バッテリー技術に関しては、中・長期的に、段階を追って取り組む戦略だ。まずは、ドイツのザルツギッターをバッテリー技術の中核拠点(Center of Excellence)に位置付け、バッテリーセル・モジュールの開発、調達、品質確保に関する機能を集約する。同拠点では、VWブランドがバッテリーのパイロット生産を行うなど、生産に関するノウハウも収集する。また、次世代電池として全固体電池に関する取り組みをすでに始めていることも明らかにした。
  
 
■ 内燃エンジンの開発も強化
 
VWグループは2025年にはグループの年間販売台数のうち、電気自動車(BEV)が全体の約25%(約300万台)を占めると予想している。その一方、依然として全体の約75%を占めると予想される従来の内燃エンジン車の開発も強化する。
 
VWグループは、新しいディーゼルエンジンには将来すべて、排ガス処理システムである選択触媒還元(SCR)システムを標準装備する方針も明らかにした。また、新しいガソリンエンジンには排ガスに含まれる煤を除去するためのパーティキュレート・フィルターを全面的に導入する。さらに、2019年以降に導入する見通しの次世代の内燃エンジンでは、燃費を改善するとともに排ガスに含まれる有害物質の排出量を大幅に低減する。
 
これらの取り組みに加え、人工燃料の取り組みを強化するほか、天然ガス車のラインアップも大幅に増やしていく。アウディ主導のもと、燃料電池技術の開発も進めていく。
 
ソース:http://fbc.de/auto/ai15604/
  
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