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独ティッセンクルップ、印タタと欧州事業統合で基本合意

   
統合の対象となる事業の売上高は合わせて約150億ユーロ、平鋼の出荷量は年約2,100トンとなる。現在の拠点は34カ所で、約4万8,000人の従業員を抱えている。当該計画は、当局の認可などを経て2018年末に実現すると見込んでいる。
  
新合弁会社の社名はティッセンクルップ・タタ・スチールとし、持ち株会社をオランダに置く。監査役会と取締役会を設け、両社から同数の役員を送り込む。ティッセンクルップは欧州事業(スチール・ヨーロッパ部門)を新合弁会社に統合するほか、マテリアルサービス事業部門に所属する製鋼事業に近いサービス会社Mill Servives & Systemsも新組織に移管する。タタは欧州の平鋼事業全般を新合弁会社に統合する。
  
両社は今後、数カ月かけてデューディリジェンス(資産の適正評価)を実施する計画で、2018年初めに契約を締結できると見込んでいる。その後、当局の認可を経て2018年末に統合は実現する見通し。
  
両社は事業統合による販売、管理、研究開発、調達、物流、サービスセンター部門などの業務効率化により、年4億~6億ユーロのコスト削減などのシナジー効果を見込んでいる。2020年からは、英国の欧州連合(EU)離脱交渉の結果や影響など事業環境を踏まえ、生産体制の見直しに入る。
   
人員整理については、管理部門で最大2,000人、生産部門で最大2,000人を今後数年かけて削減する見通し。人員整理の規模も両社折半となり、ティッセンクルップでは約2,000人の従業員が影響を受ける見通し。
   
タタ・スチールは2016年3月末、世界市場における鉄鋼製品の供給過剰や安価な中国製品の大量流入を背景に、赤字経営が続く英国事業の売却計画を決定していた。その後、売却交渉を進めていたが、英国の欧州連合(EU)離脱が決定したことで英国事業の先行き不透明感が増し、買収に意欲を示していた複数の企業が交渉から撤退したため、同事業の売却を断念。オランダ事業を柱とする欧州大陸の事業と合わせて同業との提携を模索し、欧州事業全体の存続を図る方針を示していた。
  
ソース:http://fbc.de/auto/ai15617/