2017年10月4日

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ラスベガス乱射、「恐怖の2時間」に何が起きたか

ラスベガス乱射、「恐怖の2時間」に何が起きたか

[2日 ロイター] – 米ネバダ州ラスベガスで1日夜、乱射が始まったとき、一部の人たちは殺りくが行われていることを信じようとしなかった。

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ラスベガス・ストリップで開催されていた野外音楽フェスティバルでは、カントリーミュージシャンのジェイソン・アルディーンがギターソロを演奏している最中だった。満員の観客は、これから恐ろしいことが起きようとしていることなど知らずに演奏を楽しんでいた。
 
「本物の銃声ではない」
 
パニックになった人々が周りで身をかがめるなか、ある男性はこう叫んだ。「花火だ、花火だよ。みんな、やめろ、やめるんだ」
 
午後10時7分。容疑者の死亡を警察が確認するまで、2時間近くに及ぶ恐怖の始まりだった。
 
警察はその後、スティーブン・パドック容疑者(64)が、少なくともライフル10丁をマンダレイ・ベイホテルの32階の部屋に持ち込み、来場者ら2万2000人に向けて発砲したことを明らかにした。少なくとも59人が死亡、527人が負傷したこの事件は、米史上最悪の銃撃事件となった。
 
会場に銃弾の雨が降り注ぎ、これは現実だとすぐに分かった。
 
「銃撃されている」
 
ラスベガス警察の警官は午後10時8分、無線で連絡。
 
「自動火器のようだ」
 
多くのソーシャルメディアのユーザーがこの惨状を記録していた。ロイターは、確認できたビデオや警察などの公式声明、現場にいた地元メディアの記者の証言に基づき、事件の発生状況の再現を試みた。
 
「テロ攻撃が自分のすぐ近くで起きていたことは間違いない。マンダレイ・ベイにいる」と、あるツイッターユーザーは事件発生当初にこう投稿した。
 
通りでは、タクシー運転手が発生から数分以内に警告を受けていた。メーターの青いスクリーンに警察活動を知らせる通知が現れた。
 
「ラスベガス大通りとトロピカーナを避けるように。マンダレイ・ベイから銃撃発生。容疑者3人の可能性」
 
午後10時25分。このような警告がタクシー運転手に向かって発せられた。
 
数分後、警察はマンダレイ・ベイホテルの建物のなかに避難するよう人々に指示。「タクシー運転手も車から降りてホテルに入れとのことだ」と、ラスベガスでタクシー運転手をしているブロガーは午後10時28分にこうツイートしている。
 
事件発生から30分後、警察はツイッターで銃撃犯を捜査中だと説明。一方、避難しなかった人々は救助活動に走った。
 
自分の車を救急車替わりにする人や、群衆整理の案内板をストレッチャーにして現場で救助にあたる人も現れた。
 
「頭を撃たれた人がいる。頭を撃たれた人がいる」
 
現場で救助している男性がこう叫んでいる様子を、あるビデオは映し出している。
 
自称ラスベガスのタトゥーモデルだというリンゼイ・リーさんは、犠牲者を病院に搬送するよう現場で男性に頼まれ、自分のトラックを提供した。
 
「どうぞ、みんな後ろに乗せて」と、ビデオのなかでリーさんは促している。
 
そして、ほとんどのボランティア市民には心の準備がない事態が起きた。
 
「トラックの後ろで1人が亡くなった。私の婚約者は彼を病院のなかに運ばなければならなかった」と、リーさんはインスタグラムで語っている。「悪夢だった。人生のなかで今夜のような出来事に遭遇したことはない」
 
事件発生から90分間が経過しても、警察は市街地にいる人たちに身をかがめて避難するよう指示していた。
 
地元メディアのレイチェル・クロスビー記者は、ネバダ州唯一の最高レベルの外傷治療センターである「ユニバーシティー・メディカル・センター」で、事態の推移を目撃した。ベッドは満床だった。
 
「何人かの看護師が、病院のエントランスを急いで行ったり来たりしていた」とクロスビー記者はツイートしている。「病院から飛び出していく一般人たちもいた。顔面蒼白だった」
 
事件は、病院職員にとっても大きな試練となった。
 
「神様」と、ある看護師は何度もつぶやいた。別の看護師は最愛の人に電話し、ひざを着き、うなだれて深呼吸をした。
 
「医療着を着たスタッフがどんどん病院に入っていった」とクロスビー記者は言う。
 
警察は、銃撃がいつの時点で終わりを迎えたのかまだ明らかにしていない。
 
だがようやく、発生から2時間弱がたったころ、危険が過ぎ去った最初の兆しが見え始めた。
 
「容疑者1人の死亡を確認」
 
ラスベガス警察は午後11時58分、こうツイートした。
 
「進行中の捜査案件だ。改めて言うが、今ストリップに行かないように」
 
(翻訳:伊藤典子 編集:山口香子)
 
ソース:http://www.epochtimes.jp/2017/10/28696.html

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