2017年10月20日

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独フォルクスワーゲン(VW)がグループの部品事業を統合、外部販売も視野に

独フォルクスワーゲン(VW)がグループの部品事業を統合、外部販売も視野に

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)がグループの部品生産事業を統括する新部門を設置する。経済紙『ハンデルスブラット(HB)』が広報担当者の確認を得た情報として11日に報じたもので、重複業務の削減などを通して効率アップとコスト圧縮につなげる考えだ。新部門は拠点数が56カ所、従業員数が8万人に上り、世界有数のサプライヤーとなる。

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VWでは計12あるブランドがそれぞれ部品事業を統括しており、ブランド間の連携がない。例えば独ザルツギター工場では専らVWブランド向けの部品、ハンガリーのジェール工場では専らアウディ用のエンジンが生産されている。(下の表を参照)
  
新部門はグループ全体のエンジン、トランスミッション、操舵装置、車台、シャシー、樹脂部品などの事業を統括する。責任者にはVWブランド乗用車で部品事業を統括してきたトーマス・シュマル氏が就任する。
  
新部門は独立した企業とはならず、当該被用者が移籍することもない。例えばこれまでアウディで部品を製造してきた社員は今後もアウディの社員にとどまる。
  
部品事業の統合は従業員代表の事業所委員会が以前から要求してきたもので、VWグループ全体のベルント・オスターロー事業所委員長はHB紙に「部品部門をVWグループの戦略事業分野として強化・拡充していきたい」と抱負を語った。新部門がグループ外の自動車メーカーに部品を供給する具体的な計画はないものの、内部関係者は同紙に「そうした検討は行われている」と語った。グループ外の企業に製品を販売できれば、電気自動車(EV)の普及で車両の部品数が減っても雇用を維持できる可能性が高まる。
  
競合の米ゼネラル・モーターズ(GM)とフォードは15年前、部品事業を完全に分離し、新規株式公開(IPO)を実施した。欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)も同様の措置を検討しているとされる。市場関係者からはVWもこれに追随するよう要求する声が出ており、投資コンサルティング会社エバーコアISIのアナリストは、VWは効率アップの可能性を十分に活用していないと批判。中核事業に属さない部品事業からは撤退すべきだと強調した。
 
ソース:http://fbc.de/sc/sc40446/

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