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フィリピン・セブ港にてトヨタなどの高級SUVの密輸が発覚

   
国内の税関業務を行うBureau of Customs (BOC)=関税局がセブ港に送られたコンテナ160個を調査したところ、内10コンテナに日本とアメリカの高級車が隠されているのが分かった。
   
これらのコンテナは中国、アメリカ、日本から送られていて、80コンテナがタイル、70コンテナが農産物で、10コンテナに密輸車が隠されていた。
   
密輸された車はフィリピンで人気の高いトヨタなどの高級SUV【写真は同型車】で、今回発覚したのは氷山の一角と見られている。
    
フィリピンは業者、関税局を巻き込んだ密輸天国といわれ、それを取り持つフィクサーの暗躍が従来から指摘されていて、特に中国からのたまねぎや豚肉の密輸事件が摘発されるが、厳重な処罰を受ける例は少なく野放し状態になっているのが実態である。
   
これは関税局職員が密輸業者と結託して税関申告書類の偽造や、過小申告、検査などに賄賂次第で協力していると見られ、そのため政府の損失は年間数千億円に上るのではとの試算もあり、政府は躍起になって取り締まりを強めているが効果は薄い。
   
特に地方の政治屋が介在して地元の港を経済特区にして、車の密輸を図る例など暇がなく、最近でもドゥテルテ大統領の息子(現ダヴァオ副市長)がダヴァオ港での密輸事件に関与したのではないかと問題になった。
   
今回の車の密輸入に関連するが、フィリピンは中古の乗用車は輸入禁止になっているが、どういうわけか韓国製の中古乗用車が大手を振るって流通している。
    
これは中古乗用車を輸入が出来る中古トラックとして、偽の申告をして輸入していると見られ、ここにも密輸シンジケートの存在が伺える。
   
その他食料、日用品ありとあらゆる品目が密輸入されているのがフィリピンの実情で、政府当局は取り締まり強化を訴えるが根絶は難しい。
   
しかし、今回のコンテナで密輸する手口など、国内の輸入港でレントゲン装置による全コンテナ検査を行えば解決できるもので、初期投資はかかるものもすぐに元が出せ、要は政府のやる気である。
   
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news03&command=body&no=437&