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ベトナムの繊維産業が「OBM」「ODM」モデルへ移行すべき理由とは?

 
ホーチミン市ドンナム工業団地のWorldon VietnamはShen Zhouグループの100%子会社である。2014年に投資額を1億4000万米ドルへと増額するための認可を得て以降、同社はファッションデザインと高品質ニット製品のためのセンターを建設し、生産コストを下げ、関税ゼロの特恵待遇を享受している。
 
業界専門家は、ベトナム企業がODM(Original Design Manufacturer)やOBMモデルを採用すれば、利益を30-40%、あるいは100%拡大することもできるだろうと話す。
 
ベトナムは2017年に310億米ドルの繊維・アパレル製品を輸出した。この輸出額を達成するために、190億米ドル相当の原材料を輸入している。国内市場向け製品の原材料を除いて繊維・アパレル産業の輸出超過分を計算すると、いままでで最高の155億米ドルとなる。
 
オーストラリアの主要ファンド12社の一つであるMarshall Investment FundのDavid Marshall会長は、投資家は生産コストの最小化のため、縫製工場をバンコクや香港からベトナムへと移転させていると話す。
 
専門家は、世界のバリューチェーンの中でのベトナムの地位を向上させるには、ベトナム企業は生産方法を変えざるを得ないと話す。
  
外注生産やOEM(Original Equipment Manufacturer)から完成製品の販売、あるいはFOBあるいはさらに高度なODMやOBMへと移行した繊維メーカーもある。
  
しかし、こうした移行ができる会社は数社にすぎない。ベトナム繊維協会によると、70%の企業がOEM方式で、20%がFOB方式である。
  
残る9%はODM、OBMは1%に過ぎない。
  
ベトナムが最近調印したCPTPP(包括的及び先進的環太平洋連携協定、新TPP)により、業界専門家はベトナム縫製・アパレル産業は輸出額の成長率8-13%という大きな効果が期待できると予測するが、繊維協会のTruong Van Cam会長は縫製産業のチャンスについてはより慎重な見方をしている。
   
CPTPPは大きなチャンスではあるものの、原材料調達先という弱点がベトナム企業の足を引っ張ることになりかねないと彼は話す。
   
CPTPPにはメキシコ、ペルーやマレーシアという繊維輸出大国が含まれている。これらの国は原材料調達先をコントロールすることもできるため、ベトナムのライバルとなる。
   
ベトナム企業は原材料調達に重点を置いたサプライチェーンの構築に主導的に取り組んでいく必要がある。
   
ソース:http://apparelresource.asia/news/