2018年4月5日

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「第4次産業革命(インダストリー4.0)」がベトナム労働者に課す課題とは?

「第4次産業革命(インダストリー4.0)」がベトナム労働者に課す課題とは?

ベトナムでの第4次産業革命はベトナム人労働者に課題を課すが、それに適応していく唯一の方法として、国民全体に意識改革を求めるべきであり、まずは教育・トレーニングプログラムから開始する、と専門家らは昨日ハノイで開催されたセミナーで合意した。

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「第4次産業革命とベトナム労働市場に対するそのインパクト」と銘打ったセミナーでは、世界中の労働力と経済を変革する急速な技術革新の波である第4次産業革命に対し、ベトナムも適合していくための努力を開始すべきだとする経済学者やその他の専門家らが招かれた。
  
国際労働機関(ILO)によると、例えばベトナムにおけるアパレル・履物産業の労働者の86%が、第4次産業革命による技術革新の影響を受けて、その職を失うリスクが高いという。
  
「第4次産業革命が起きると、農業労働者の職はもはやなくなってしまいます。青少年の失業率は高くなる一方で、第4次産業革命に必要な熟練労働者の不足もまた、非常に深刻になるでしょう。」と、経済学者で労働市場の専門家でもあるPhạm Quang Ngọc氏はこのセミナーで述べた。
  
「もし我々に創造力がなければ、工学的応用力が非常に低くなってしまいます。そして、こうした競争力不足はゼロ成長につながります。」とNgọc氏は述べた。
   
世界経済フォーラム(WEF)の「製造業の未来への備え2018」というレポートによると、約100か国調査した中で、ベトナムは第4次産業革命への準備が整っていない国にランク付けされている。
    
   
解決策
   
教育・訓練省の管轄するベトナム教育科学研究所のLê Anh Vinh博士は、若い世代はこの国の労働力の大幅な変容に備える必要があると述べた。
   
ベトナムの労働力の半分以上は40歳未満であり、そのうち15~29歳の労働者の割合は25%である。
   
ベトナムの労働者は専門知識が不足しているだけでなく、問題解決、リーダーシップ、コミュニケーションスキルに乏しいとされている。ベトナムの低い人件費というメリットは、外国人投資家の目にその魅力を徐々に失いつつある。
   
多くの研究プロジェクトを推進する企業は、国内外の調査企業に対し、教育の質や、特にエンジニア、技術者などの熟練したスタッフの面でベトナムに満足していないと回答した。
   
このセミナーでは、専門家らがその解決策を次のように議論した。
   
トレーニング機関は、学習者を第一に考えたトレーニング方法、講義のデザインとその遂行にITを活用する必要がある。
   
学習者の作業能力や創造性を開発するためには、講義の構造や試験方法に革新が求められる。
    
研究機関は自動化産業の発展に注意を払うだけでなく、同時に情報技術、エネルギー、新素材やバイオテクノロジーの分野に取り組む研究チームに投資するべきである。
   
国は、産業構造とトレーニングレベルに応じて人材ニーズを予測することに重点を置く。国はそのニーズに基づき、トレーニングや社会経済開発の必要性を満たすために、教育・トレーニング分野における多国間または二国間の協力体制を強化しようと、各期間でタイムリーに調整を行う。
   
また国は、外国人投資家がベトナムで質の高い教育機関を開設するために、教師や学校運営者を育成し、それに有利な法律的・社会的な条件を整える。
   
企業は生産性を向上させるために、技術ソリューションの自動化を実現するロボットを導入する必要がある。
   
このセミナーは、ViệtNam Omega Books Joint Stock Co、ベトナム商工会議所と経営者団体、ベトナム国家大学ホーチミン市校傘下の人文社会科学大学の国際研究センターと共同で開催された。
   
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3324.html

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