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米国がアジア太平洋でインフラ投資を発表 「一帯一路」に対抗

 
一部の専門家は、同地域における中国共産党政権の野心を抑える手段と見ている。
 
ポンペオ長官は、この新たな投資計画に、情報通信に2,500万ドル、エネルギー計画に5000万ドル、インフラ建設に3,000万ドルと発表した。
 
ポンペオ長官は、ワシントンの米国商工会議所のインド太平洋ビジネス・フォーラムでこの投資計画を発表した。長官は、同地域に米国が関与していくこと、そして「自由で開かれた」の定義を強調し、中国共産党による権益を拡大させる戦略「一帯一路」構想との対比をあらわにした。
 
幹線道路や鉄道、港湾、パイプライン、発電所を建設・拡張する中国の「一帯一路」について、モルガン・スタンレーは今後10年間で最大1兆3,000億ドル(約144兆円)相当に拡大する可能性があると推計している。
 
「インド太平洋における『自由』とは、すべての国家が他の国の圧力から主権を守ることを意味する。国家レベルでは、『自由』とは良い政治であり、市民が基本的権利と自由を享受できる保証を持つことを意味する」とポンペオ長官は語った。
 
ウィルバー・ロス商務長官、リック・ペリー・エネルギー事務局、その他ビジネス業界リーダーたちもこのフォーラムに参加した。ポンペオ長官は、米国政府の投資は地域経済発展の頭金にすぎず、民間からの投資を奨励した。
 
この発表の数時間後、日豪米の各政府は共同で、インド太平洋地域のインフラ整備などを支援し、民間投資を呼び込むと発表した。投資分野にはエネルギー、輸送、観光、技術インフラが含まれる。
 
ロイター通信によると、豪外務貿易省、米国の政府系金融機関である海外民間投資公社(OPIC)、日本の国際協力銀行(JBIC)は共同声明で、自由で開かれたインド太平洋戦略の実行として「経済成長をけん引し、機会創出と投資促進のための協力関係を結んだ」と表明した。
 
この自由で開かれたインド太平洋戦略は2016年8月に、日本の安倍晋三首相がアフリカ開発会議での基調講演で初めて発表した。
 
FNN解説員の風間晋氏によると、安倍首相は、中国のシーレーン支配や軍事的野心の広がりをけん制し、その代替構想として「積極的な平和外交」を理念に打ち出した。
 
2017年11月に訪日したトランプ大統領と安倍首相との会談では、同戦略を日米共同外交戦略と位置付けることが決まった。
 
サウスカロライナ州エイケン大学フランク・ティン・シー(Frank Tian Xie)教授は、この新しい動きは非常に重要だと考えている。「アジア太平洋の代わりに『インド太平洋』を使い始めることで、地政学的な意味合いははっきりしてくる」と述べ、米国の狙いは「中国の共産主義の拡大抑制とインドなど他の民主主義国との同盟関係を強固にすることだ」と述べた。
 
清華大学MBA取得者で経済アナリストのチン・ペン氏は、米国のインド洋太平洋戦略の実行は対中戦略に効果的だと述べた。「腐敗さえ輸出している一帯一路と、米国のパートナー構想の対比は明確である」。
 
ポンペオ長官は8月初旬にマレーシア、シンガポール、インドネシアを訪問する予定で、地域の安全保障支援についても発表を行うという。

長官はこのたびの投資計画を発表したスピーチのなかで、中国を名指ししてはいないが、インド太平洋地域で軍事・政治・経済力を拡張させる中国共産党の政策と対比した構想であることがうかがえる。
 
「米国は、それぞれの独立国家が国民を保護し、国際市場で公正に競争できるような地域秩序を支持する」「米国パートナーの安全を高め、人間の尊厳を確保する方法で経済社会を発展させるために支援する用意がある。強制的で巨大な力が、彼らを支配しないよう、米国は支援する」と語った。
 
(編集・佐渡道世)
 
ソース:http://www.epochtimes.jp/2018/08/35138-2.html