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日中両政府が安倍首相の訪中へ向け調整 日中関係改善の一歩となるか

 
実現すれば、安倍首相は、日本の内閣総理大臣として2011年以降、約7年ぶりの訪中となる。
 
日中首脳会談後、安倍首相は記者団に対して、両首脳は日中関係を「前進させていく決意を共有した」と述べた。また、北朝鮮の非核化に関して緊密に連携することで一致した。習主席は、拉致問題において日本の立場を完全に支持するとの見解を示した。
 
いっぽう、中国国営新華社通信は、習主席の発言を引用し、両国が今後「意見の相違を適切にコントロールする必要がある」としたうえ、「特に日本は、歴史や台湾など敏感な問題を適切に処理し、良好な雰囲気を積極的に作り出し、共通利益を絶えず拡大する必要がある」と注文を付けた。
 
日本と中国は尖閣諸島(中国名、釣魚島)の主権問題をめぐって関係が冷え込んでいた。2014年、安倍首相が北京で開かれたアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議に出席した際、習主席と首脳会談を行った。当時、終始無表情で安倍首相と握手を交わす習主席が話題となっていた。
 
今年5月、中国の李克強首相が日本訪問後、日中関係に改善が見られた。
 
中国が日本に急接近した主因は、米中貿易戦にあるとみられる。ロイターの7月の報道では、中国は欧州連合(EU)に対して、中国に強硬姿勢を強めるトランプ米政権にともに対抗するよう働きかけたが、EU側に拒否された。日本は米国のアジア地域における重要な同盟国であるため、中国当局は日本との関係改善を通じて、日中間の連携を強化し米国に対抗する狙いがあるとみられる。
 
香港メディア「経済日報」は、日中両国は政治問題や歴史問題で依然として意見が対立していると指摘し、日中関係は大きく改善できないとの見方を示した。日本政府が8月末に公表した「2018年防衛白書」では、中国の急速な軍事力強化と日本や国際社会に対する軍事的脅威を強調した。
 
中国の「一帯一路」経済圏構想の対抗策として、トランプ米政権が現在展開している「インド太平洋戦略」の考案者は安倍首相だ。首相は2016年以来「自由で開かれたインド太平洋戦略」を提唱してきた。
 
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の11日の報道で、日本政府がトランプ米大統領の対中通商政策を支持しているとの認識を示した。
 
同報道によると、日本政府関係者は、中国側がこのほど日中関係の改善に前向きな姿勢を示したことで、トランプ大統領に「感謝しなければならない」と述べ、トランプ大統領の対中通商政策が「中国側の外交戦略に影響を与えている」と話した。
 
この政府関係者はFTに対して、中国側が日本に対して、今後米国の通商政策を批判するよう求めていると明らかにした。しかし、「われわれは、中国における市場参入規制や貿易・投資問題に関するトランプ大統領の見方に完全に賛同している」とした。
 
米外交問題評議会上級研究員で、日本政治専門家のシーラ・スミス(Sheila Smith)氏は8月10日、米シンクタンク「ヘリテージ財団」の日米関係討論会で、中国と日本はいくつかの経済政策において共通の関心があるものの、日本側は戦略上、大きな方向修正をしないとの見解を示し、日本は中国への警戒感を引き続き維持するとした。
 
(翻訳編集・張哲)
 
ソース:https://www.epochtimes.jp/2018/09/36239.html
 
Photo by Dick Thomas Johnson on Flickr