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フィリピンのセブ島北部バンタヤン島 観光開発による弊害の恐れ

     
現在、バンタヤン島サンタ・フェ町には長さ900メートルの滑走路を持つ簡易な飛行場はあるが、セブからの遊覧小型機が訪れる程度の利用で、空港としての機能は劣っていた。
     
その空港の滑走路を1500メートルに延伸して、マニラなどの都市から100人程度の飛行機が直接離着陸出来るようにして、バンタヤン島の観光開発を計るとしている。
    
この計画の主体はマクタン・セブ国際空港を運営する事業者だが、滑走路を延伸しても空港としての基準に満たしていない現状でもあり、コスト的に見合わないとの指摘も強い。
    
しかしながら、飛行場敷地を所有するセブ州はこの計画に前向きで、事業者に対して譲渡などを検討している。
  
フィリピンの著名な島であったボラカイ島が、観光開発による環境破壊と汚染で、今年6ヶ月間の全島閉鎖措置を受けたのは耳新しいが、こういった新たな観光開発は第2、第3のボラカイ公害を生むのではないかと批判されている。
   
飛行機の路線が近年離島に向けて開発され、北の島バタネス諸島やミンダナオ島北端のサーフィンで知られるシアルガオ島など観光客が押し掛けるようになり、物価上昇が現地住民の生活を圧迫し、違法薬物の蔓延も指摘されている。
   
飛行場拡張が俎上に乗っているバンタヤン島は漁業と鶏卵生産の島と知られるが、物見遊山の観光客を大量に受け入れる施設は整っていなくて、2013年の台風『ヨランダ』による被害も復興には遠い。
  
また他の島にも共通するが環境保全の意識や、ゴミ処理、排水設備も貧弱で、こういった社会的インフラを同時に進めることが必要とされるが、貪欲な観光業者にとってはまだ自然が残るバンタヤン島は好餌の場所となっている。
 
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news03&config=&command=body&no=479