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世界銀行が2019年のフィリピンGDP成長率予測を下方修正 6.7%から6.5%に

 
一方、世界有数の格付け会社『フィッチ・レーティングス』はフィリピンの長期国債の投資適格クラスを『BBB』に据え置き、安定的見通しを維持すると評価し、2019年のGDPの伸び率を6.6%と予測した。
 
東南アジアでは高い成長率を続けるフィリピンだが、ここに来て経済成長の減速が顕著で、しかも国内消費者物価がドゥテルテ政権になってインフレが進み、政府発表で5.2%のインフレ率を記録し、これは過去9年で最大のインフレ率となり政権の経済政策の不味さが指摘されている。
 
とりわけ、国民の生活に直結する食品のインフレは甚だしく、そのインフレ率は政府発表の数倍というのが国民の実感となっている。
 
そのため、政府はコメの輸入自由化、また石油製品の徴税棚上げなどを急遽打ち出し、鎮静に努め物価上昇は収まる気配を見せている。
 
しかし、政権が基本にしている大型インフラ・プロジェクトが特定の業種、業界を潤すのみと批判され、偏った大型インフラ支出が物価上昇を招く要因になっているとの指摘もある。
 
こういった中、2019年度の予算案が未だ議会の承認を得られていない状態が続き、これは従来の前年に未執行の予算は次年に加えて執行できるフィリピンの変則的な予算編成を単年執行に替えたためで、議会側と予算執行側との対立は解けていない。
 
フィリピンの経済成長は当分続く見込みだが、不安定要素も多く、特にアメリカと中国との貿易紛争はフィリピンの経済に大きな影響を与え、輸出頼りの業種によってはかなり落ち込むのではないかと見られている。
 
また、フィリピンの経済を支えるOFW(海外就労者)や移民からの海外送金額は堅調な伸びを見せているが、出稼ぎ経済に頼る構造は変わらず、当分場当たり的な経済、産業政策は変わらないようだ。
  
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=371