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中国から東南アジアへ工場移管?コスト上昇とストライキに注意!

 
近年、中国の人口動態の配当は徐々に消えつつあり、世界第2位の経済大国の生産コストは急上昇している。このような環境圧力の高まりにより、多くの中国および外国の多国籍企業は工場を東南アジアへの移管を始めた。さらに重要なことに、米国と中国の間の貿易戦争の激化によるビジネスリスクを相殺することを多くの人が望んでいる。
 
それでも、東南アジアのビジネス環境が外国人投資家にとって優れていると仮定するのは安易である。コンサルティング会社やシンクタンクによる最近の報告では東南アジアにとっての貿易戦争の利点を浮き彫りにした。しかし、これらの報告はこれらの経済環境で事業を行うことのリスクにおいては不十分である。特にカンボジアとベトナムでは、多くの外国人投資家が引き続き困難に直面している。
 
カンボジアのビジネス環境は依然として難しい状態である。今年初め、違法とされたストライキの後、1200人の労働者がH&MやMarks&Spencerを含むブランドを供給する工場から解雇された。
 
カンボジアの人件費は急上昇している。最低賃金は月額40米ドルの1997年から今年は182米ドルに上昇した。手当てや様々な補助金が含まれている場合、これは月額約210米ドルに上り、バングラデシュ、スリランカ、インド、ミャンマー、パキスタン、またはラオスの最低賃金よりも高くなる。
近年、労働者の抗議行動やストライキが以前よりも頻発している。産業アナリストによると、カンボジアの生産性は中国の約60%に過ぎず、中国の生産性の約80%を管理しているベトナムとインドネシアの両方に遅れをとっている。
 
中国と比較して、カンボジアはインフラから製造業を支える他の施設までのサプライチェーンの繋がりが弱い。これは外国人投資家にとってもう1つのビジネスコストでもある。
 
そして来年、カンボジアはEUが2月に人権問題のために優遇貿易措置の撤回プロセス開始後、EUとの輸出免税の恩恵を失う可能性がある。
 
一方、ベトナムは米中貿易戦争の主要な恩恵受益国として祝福されてきた。
 
野村證券の報告書によれば、中国からの代替輸入やその他の波及効果のおかげで、ベトナムは貿易戦争で最大の勝者となり、経済を最大7.9%押し上げたという。しかし、これは安直な見方である。Anboundの調査チームは、ベトナムの歴史的なチャンスには大きなリスクが伴うと考えている。ベトナムは輸出志向の経済で、大量の輸入が続いている。
 
輸入インフレは避けられないシナリオであり、賃金上昇に圧力をかけるだろう。激しいインフレを感じている工場労働者は、抗議やストライキに加わろうとする動機が出来る可能性がより大きくなる。政府は輸入インフレと闘う最善策として、要求を払うことを黙認するかもしれない。しかしベトナムは、外国人投資家にとってコスト回避地であるという最も重要な利点を危険にさらすだろう。
 
ベトナムは急激な経済成長を遂げ、昨年は予想を7.08%上回った。しかし、それは開発ボトルネックになるかもしれない。特に顕著な兆候は、製造業によって生み出された富が製造業に再投資やリサイクルされるのではなく、不動産業に急速に移行していることである。
 
さらに、ベトナムは衝撃的な水準の対外直接投資(第1四半期だけで108億米ドル)を惹きつけており、これは経済の対外資本移動に対する脆弱性を増大させる。
 
間違いなく、短期的には、カンボジアとベトナムは、産業サプライチェーンと製造業の移転による世界的な再構築から恩恵を受けるだろう。
 
しかし中国とは異なり、ベトナムやカンボジアの小規模な経済や市場には、外国投資家による更に深いより包括的な評価に値するリスクがある。
 
今後カンボジアとベトナムでは、コストの上昇、開発ボトルネック、低効率の労働力、脆弱なサプライチェーンの繋がり、より強い労働組合の動きが明らかになり、中国同様の境遇になるかもしれない。
 
大切なことは、過剰生産が蔓延し制御できない世界では、そのような外国投資先の移転は生産を増やすだけである。経済危機が発生した場合、カンボジアやベトナムなどの小規模経済は中国よりもはるかに打撃を受けるだろう。
 
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3937.html