2019年12月17日

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インドネシア:チカンペック高架道が開通 渋滞緩和に期待  下旬に無料供用を開始

インドネシア:チカンペック高架道が開通 渋滞緩和に期待  下旬に無料供用を開始

ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は12日、東部ジャカルタ一帯を結ぶチカンペック高速道路の高架部分(第2チカンペック高速道)の工事完了、開通を宣言した。クリスマスと年末年始の帰省シーズンに、無料で供用を開始する。政府は開通が既存のチカンペック高速道の渋滞緩和につながると見ており、ジャカルタ・バンドン間を結ぶ高速鉄道や軽量高架鉄道(LRT)の建設、パティンバン港開発と合わせて総合的にインフラ開発を進め、ジャカルタ一極集中体制の是正を進めたい考えだ。

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2017年に工事が本格化し、20日ごろから一時的に供用を始める予定の高架部分の区間は、西ジャワ州ブカシ市のチクニル~西カラワン間の36・4キロで、上り下り共に2車線。2月までに料金を策定し、正式運用開始を目指す。
 
同州州都バンドンや、より東にあるジャワの各都市と、ジャカルタを結ぶ狙いがあり、使用者は主に長距離運転手を想定する。当面はバスを除く第1種車両(普通車、小型トラック)のみを通行させる方針だ。
  
高架道にはパーキングエリアなどはないが、救急車やレッカー車を配備して、急病や事故に即応できるようにする。
  
公共事業・国民住宅省によると、チカンペック高速道路通過車両は1日60万台以上で、ここ5年で混雑が悪化している。既存の高速道の2階を造るイメージの高架工事は、土地収用の必要性がないという利点はあったが、橋梁工事のために重機やクレーン車が下側の車線を塞ぎ、渋滞を悪化させてきた。
  
ラッシュ時には、ジャカルタとブカシ間の50キロ弱を走行するのに2~3時間かかるのが当たり前となり、交通事故渋滞と相まって5時間以上かかるケースもあった。
  
カラワン工業団地(KIIC)に入居する日系企業幹部は「高架道は途中の出口がなく、渋滞したら降りられなくなるので、使わないが、交通量が分散する期待は持てる」と話す。
  
高架道路建設は、来年完成予定のジャカルタ第2外環状道路(JORR2)西ジャワ州ブカシ県チビトゥン~北ジャカルタ・チリンチン区間建設と一対を成す計画だ。タンジュンプリオク港(北ジャカルタ)と東部ジャカルタを結ぶ同区間と、東方に向かうチカンペック高速道路の拡充は、両方が実現して初めて物流改善の可能性が見えてくる。
  
西ジャワ州スバン県では日本政府が支援してパティンバン港建設も進む。西ジャワ州から各地へのモノの流れを加速させ、ジャカルタ一極集中を是正する上でも、高速道路は重要な要素になる。
  
大統領は同日、中国が事業参画するジャカルタ・バンドン間の高速鉄道建設現場も視察した。軽量高架鉄道(LRT)のジャカルタ~東ブカシ間と並んで21年までに完工させる目標を強調。「(両方とも)土地収用は99・9%完了し、問題はない。インフラ構築を進めるために、政治的決定を遅らせないようにする」と意気込みを話した。
  
(平野慧)
 
ソース:https://www.jakartashimbun.com/free/detail/50442.html

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