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KITAS問題で柔軟対応を要請へ JJC 東條観治理事長

 
コロナ問題が表面化した3月以降、JJCには人の動きに関する問い合わせが増えているという。「他企業は家族を帰したのか」「PSBBに各社はどう対応しているのか」といった内容だ。その一方、部材の調達など操業に関わる相談は少ない。状況を見越して在庫の積み増しなどの対応をしているためとみられる。
 
今後は首都圏(ジャボデタベッグ)全域が制限対象になるが、その先に何が起こるかはインドネシア側の判断を注視していくしかない。JJCとしても問い合わせには対応するが、「噂レベルの情報を共有する訳にはいかない」(東條理事長)。
 
そもそも個別企業が抱える問題は、たとえ同じ業種であっても千差万別。すべての意見を集約し、JJCが能動的な行動に移すのは難しい。この点について東條理事長は、「個別の責任や各企業単位ではどうにもならない事もあり、そこは大使館と一緒に対処していきたい」と話す。
 
切迫した事案として、一時滞在許可(KITAS)の取り扱い方が変わる問題がある。法務人権省は4月6日、KITASが失効した場合、再取得の手続きをするよう求めてきた。従来は再入国時や国外手続きという選択肢もあったが、再取得となれば手続きに2カ月はかかるだろう。
 
日系企業は生産の一時停止などを迫られ、やむなく帰国する邦人も増えているが、一般に日本企業にとって4月は年度初めとなる。つまり、この時期にKITASが失効するケースが少なくなく、事態が好転して今後、インドネシアに業務復帰をしたくてもできない事態が起こりえる。これを避けるためにもJJCは現在、政府に柔軟な対応を求めていく方向で大使館と準備を進めているという。
 
一方、日系企業の円滑な事業展開には、インドネシア側との協力関係の構築が重要だ。日系企業の代表組織としてJJCは、「お世話になっている立場にあり、困っているのが分かるからこそ、できることはしたい」(東條理事長)とし、感染防止用マスクを寄付する準備も進めている。世界的にマスク不足が深刻化する中、協賛企業の理解と協力を得ながら、保健省への引き渡しは4月下旬を目標としている。
 
かつて日系企業が雪崩を打って当地に進出した1970年代、官民一体型のいわゆる「護送船団方式」といわれた時代があった。だが、半世紀近くを経て、求められるのは共存共栄の関係。JJCも難しい舵取りを迫られるが、コロナ問題という難局に直面した今こそ、インドネシアの真の友人として日本の真価が問われているのかもしれない。
(長谷川周人)
 
ソース:https://www.jakartashimbun.com/free/detail/51489.html