2020年6月23日

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フィリピン:クルーズ船の乗務員 4万2千人が船から降りられず

フィリピン:クルーズ船の乗務員 4万2千人が船から降りられず

日本のコロナ禍の序章となったクルーズ船『ダイアモンド・プリンセス』【写真】の集団感染は乗客乗員併せて3700人の内、700人近くが確認されたが、同船の運航乗員中フィリピン人は531人が運航、船内サービスに従事し多数を占めていた。

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クルーズ船に限らず世界の海運業界はフィリピン人船員の力なくては回らない状態で、船員が全世界で160万人といわれる中、フィリピン人船員はその4分の1の40万人に達している。
 
このフィリピン人船員が母国に送金する額が年間60億ドル以上に達し、海外就労に頼るフィリピンで大きく寄与している。
 
しかし、コロナ禍でクルーズ船の最大の顧客であるアメリカは7月24日までアメリカ海域での運航を禁じる措置に出ていて、クルーズ船業界は苦境に立たされている。
 
また多くの国でクルーズ船寄港と乗組員の上陸禁止措置が取られ、その数は42000人以上とされ、しかも給与が不払いで閉じ込められている船も発生している。
 
ヨーロッパやカリブ海域のクルーズ船運航会社で余力のある会社は、チャーター機を用意するところもあり、6月初旬に1200人以上のフィリピン人乗組員を帰国させた。
 
しかしながら、海外から帰国するこれら労働者の受け入れについては検疫のためにフィリピン政府は一日当たりの帰国人数を定めていて、多くは足止めされている。
 
船員以外の職種で働く海外就労者(OFW)で契約の切れたフィリピン人は様々な国で50万人以上が帰国待ちといわれるが、フィリピン側の受け入れは遅々として進んでいない。
 
また、OFWの送金に頼っていた国内経済の打撃も必死で、今まで右肩上がりで2019年には過去最高額を記録した307億ドルから、2020年度は5%減の286億ドルになると先頃フィリピン中央銀行の見通しがあった。
 
送金額が前年より減ったのは2001年のアジア通貨危機のあった年以来(60億ドル)の前年比0.3%だけであり、GDPも5%程度のマイナス成長予測が出ていて、コロナ禍に伴う社会不安が増大している。
 
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=397

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