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インドネシア:邦人死亡、チカランで 密造酒、視力低下も

 
調べによると、この男性と知人の日本人など5人が20日、チカランにあるアパートメントに集まり、密造酒を飲んでいたとみられる。関係者によると、このうちの一人とみられる日本人男性が日系クリニックを訪れ、体調不良や視力の低下を訴えていた。
  
男性の遺体はジャカルタ特別州の病院に移送され、当局が詳しい死因を調べている。
 
警察は関係した日本人などに話を聞いているが、密造酒を入手した経緯などについては明らかにしていない。地元警察や大使館は関係者の「個人情報を保護する」方針で一致、今後警察が公式発表を行うかは不明だ。29日時点で地元有力紙や放送局は報じていない。
 
■正規品のように販売
 
密造酒をめぐっては、日本酒や焼酎の瓶に詰め替えられたものや、洋酒風のラベルを貼ったものも出回っている。また写真投稿サイト「インスタグラム」や電子商取引(EC)サイトを通じ、正規品のように販売されているケースがあり、警戒が必要だ。
 
日系クリニック関係者は「(密造酒には)メタノールなど危険なものが混ぜられており、深刻な中毒症状を引き起こしたり、失明するおそれもある」と指摘した。
 
またヤシ酒「トゥアック」など「伝統酒」として個人が製造したものが、屋台で販売されている場合もある。
 
インドネシア政策研究所(CIPS)によると、2014~18年の5年間で、密造酒を飲んだことが原因とみられる死者は546人に上り、08~13年の232人からほぼ倍増している。
 
政府は酒に高い税を課しているほか、15年にはミニマート(コンビニ)でのアルコール飲料の販売を禁止にした。CIPSはこうした背景から、合法的に製造された酒よりも安価で手に入る密造酒が、一部の庶民にも広まっているとしている。(大野航太郎、高地伸幸)
 
ソース:https://www.jakartashimbun.com/free/detail/53112.html