2021年3月15日

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フィリピン:2020年失業率 過去15年間で最悪

フィリピン:2020年失業率 過去15年間で最悪

コロナ感染累計者数が60万人を超えたフィリピンだが、感染の勢いはここに来て増加し、先行きが不透明になっている現在、フィリピン統計庁(PSA)が3月8日に2020年の労働力・雇用推計の速報値を発表した。

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【写真はセブ・マクタン島の経済加工区を離陸する飛行機から 日系企業の多い加工区だが倒産する日系企業も出ている】

 
これによると、就業者数は約3940万人で失業者数は約450万人、年間失業者率は10.3%となった。

 
ただし、政府発表の失業者統計はその調査内容が低く出る様になっていて、実態とはかけ離れていて民間機関が発表した失業率調査では失業率30%近くに上がっている。

 
NSA発表の10.3%を記録した失業率は過去15年間で最悪で、前年の2019年の失業率5.1%から倍増していて、コロナ禍での労働状況が厳しくなっていることを表している。

 
失業者の性別では男性が63.8%、女性が36.2%と男性に偏り、年齢層では15~34歳の若年層が全体の65.7%を占め、簡単に切り捨てられる若年層の実態が浮かび上がっている。

 
地域別では平均失業率より高い地域はルソン島に目立ち、北部イロコス地域(13.4%)、中部(13.1%)、中心となる首都圏(11.7%)、首都圏に隣接するカラバルソン地域(11.6%)、中部山岳地帯のコルディリエラ地域(10.4%)と軒並み2桁を記録した。

 
それ以外の地域で平均より悪かったのは観光業が壊滅的な影響を受けているセブを中心とする中部ヴィサヤ地域で、10.6%を記録した。

 
フィリピンの労働力人口は7370万人とされているが、労働力参加人口(実際に働いているか積極的に仕事を探している人口)については、4390万人と過去15年間で最低となった。

 
これは前年の61.3%から1.5ポイント減少している。

  
就業者の部門別割合では農業が前年の22.2%から増えて、24.8%になっているが、これは都会で職を失った人が帰郷して農業に一時的に就労していると見られている。

 
就業者の多数を占めるサービス業は前年の58.4%から56.9%、工業が前年の19.3%から18.3%と何れも低下している。

 
こういった悪化した労働環境に伴い、フィリピンの2020年GDPは第2四半期(4月~6月)がマイナス16.9%まで落ち込んだのを最大として通年ではマイナス9.5%を記録した。

 
2020年最終四半期(10月~12月)もマイナス8.3%を記録しているために、それに続く2021年第1四半期もマイナスとの予報が出ていて、2021年通年でのGDP回復は厳しく、回復しても小幅の観測が出ている。

 

ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=410

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