フィリピン:豚肉価格の高騰が続く / アフリカ豚熱の感染拡大の影響
フィリピンの祝い事に必ずレチョン・バボイ(子豚の丸焼き)が出る様に、フィリピン人の豚肉好きは知られているが、この豚肉の価格が年明けから高騰を続けていて、政府は2月から価格統制を行っていた。
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高騰の原因はアフリカ豚熱の感染拡大による、国内生産量の減少となっているが、豚肉を扱う業者による意図的な価格操作ではないかとの疑いも出ている。
小売りの上限価格を設定した価格統制中も価格は上昇を続け、仕入れ価格よりも統制価格の方が安い事態になって、売るだけ損だと小売業者の休業が続出した。
4月8日に60日間に渡った価格統制は終わったが、この問題を扱う農務省は再度の小売り上限価格制限は行わず、推奨小売価格を設定する方式に移行すると発表しているが、自由市場経済の中、その実効性に疑問が投げかけられている。
この推奨価格は既に9日以降実行されていて、その設定価格は豚肉肩ロース1キロ270ペソ、豚バラ肉で1キロ350ペソとなっている。
なお、鶏肉に関しては市場での小売り平均価格が1キロ130ペソまで下落しているために推奨小売価格の対象から除外されている。
鶏肉が下落しているのは、中国などからの輸入が増えているためだが、最近中国産の食品に過度な抗生物質が使われているのがフィリピンでも明るみになって、消費者の警戒感は強まっている。
農務省は豚肉の輸入拡大も進め、今年1月から3月までに輸入した豚肉は3万8千トンで、この中で1万8200トンは低関税輸入枠で輸入されている。
また、現在定めている年間豚肉輸入枠5万4210トンに対して35万トンを追加出来るように大統領は議会に要請をし、さらに輸入豚肉に対して最恵国待遇関税率を現行の30%から5%に引き下げる大統領令に署名をした。
この大統領令には最恵国待遇を受ける豚肉以外の輸入関税率も従来の40%から15~20%に引き下げる措置が含まれている。
このため、輸入業者からは商機と歓迎されているが、国内の養豚業者からは安い輸入豚肉によって国内の養豚業は潰れると危機感を抱いている。
この様に場当たり的な政府の対策は混乱を深めるだけで、豚肉に限らずコロナ禍で高騰する魚、野菜など生活に直結する食料に対する安全保障体制の構築が求められている。
【写真は肉、魚、野菜を商うフィリピンの典型的な市場】
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=412
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