2021年5月11日

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フィリピン:コロナ禍で 賃貸住宅と賃貸事務所の空室率上昇

フィリピン:コロナ禍で 賃貸住宅と賃貸事務所の空室率上昇

フィリピンの首都圏のコンドミニアムの空室率が業界筋によると、2020年は15.6%であったが2021年は更に上昇して17%以上に達し、6部屋に1部屋は空室になる予測が出ている。

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フィリピンはコンドミニアム建設ブームだが、中心となる部屋はワンルーム仕様が多く、海外で働いているフィリピン人が価格の安さから貸し出し目的で購入している例が多い。

 
しかしコロナ禍で失業者が急増する中、これらの部屋の賃貸料を支払うことが困難になる賃貸人が続出し、空室率の上昇を招いている。

 
このため、月々の収入を当て込んで無理してローンを組んで購入してもローンの支払いが滞る例も増え、このためこういった不良債権を抱える銀行も警戒して貸し倒れ引当金を今年度は次々と引き上げている。

 
また、賃貸事務所に関しても12%半ばまで空室率が上昇すると見られていて、これはフィリピンでオンライン・カジノなどを経営する会社が、コロナ禍で次々と閉鎖、撤退したための影響による。

 
そういった中、賃貸事務所の新規供給は盛んで、2021年は88万平方メートルが増加すると見られている。

 
しかし、新規供給分に対して新規に賃貸契約が結ばれるのは半数に満たない35万平方メートルとの見積もりが出ていて、賃貸事務所の過剰供給が続いている。

 
この過剰分を解消させるために、通常は賃貸料を下げるなど業者は方策を取るが、フィリピンでは『寝かせておく』例が多く、これはこれら事業に参入しているのは中国系が多く、不動産の価値を下げることを忌避する土壌があるためと見られている。

 
一方、賃貸事務所の大手顧客になるBPO業界(主にコールセンター業務)はコロナ禍でも順調で、2020年は前年比1.4%増の267億ドルを稼ぎ出し、これは2020年のGDP(国内総生産)の10%近い。

 
このためBPO業界の賃貸事務所需要は高く、また、BPO業界で働く正規労働者が132万人と、前年より3.5%2万3千人ほど増えていて、これら労働者がワンルーム住宅の借主になることを不動産業界は期待を込めている。

【写真はセブ市での建設中のコンドミニアム】
 
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=414

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