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スウェーデンの乗用車大手「ボルボ・カーズ」、ディーゼルエンジンの開発から撤退へ

   
2013年に市場投入した現行のディーゼルエンジンについては開発を継続し、欧州連合(EU)の将来の排ガス規制「ユーロ6c」に対応できるようにするものの、新設計の次世代ディーゼルエンジンは開発しない方針という。現行世代のディーゼルエンジンをいつ頃まで搭載し続けるかについてはコメントを控えた。
  
サミュエルソン社長は同紙に対し、駆動技術の今後については、EUの二酸化炭素(CO2)排出量の削減値が決まっている2020年までと、新しい数値が設定されるそれ以降に分けている、と明らかにした。EUは自動車メーカーに対し、域内で販売する新車の走行1キロメートル当たりのCO2排出量を2020年から95グラム以下に抑えることを義務付けている。サミュエルソン社長は95グラムの達成は、(燃費効率の良い)ディーゼル車抜きにしては達成できない、との見解を示す。ただ、規制値が厳格になるほど、有害物質を削減するための排ガス処理装置にかかるコストが高くなるため、利益率の高い大型モデルであっても採算が合わなくなる、と説明した。
  
  
■ 19年発売の電気自動車、上級モデルを視野
  
サミュエルソン社長はディーゼル車に代わる今後の駆動技術として、電動化に注力する意向を示している。具体的には、ガソリン車への48ボルトシステム(マイルド・ハイブリッド技術)の採用や、プラグインハイブリッド車、純粋な電気自動車の開発に経営資源を集中する方針。
  
ボルボは2019年に同社初の電気自動車を市場投入する予定。当該電気自動車は、上級モデルとなる見通し。サミュエルソン社長は、米電気自動車メーカーのテスラが販売する高価格帯の電気自動車の販売が好調であることに言及し、「我々にも高品質で魅力的なデザインの(テスラのような)分野に需要があるはずだ」との見解を示した。
   
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