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カタール、サウジなどから断交。中東ビジネスへの影響は?

 
近年、天然ガスの輸出拡大で驚異的な経済成長をとげたカタールは、政治的発言力も高まり隣国との軋轢が目立ち始めていた。ことの発端はカタールのタミム首長が、国内の軍事学校の卒業式で親イランとも取れる発言をしたと、国営カタール通信が報道したことである。
アメリカのトランプ政権と共に、イラン包囲網形成を目指していたサウジアラビアは、面目を潰されたと判断し断交に至った。
 
カタールには、推定資産3500億ドルの政府系ファンドがあることや、天然液化ガス(LNG)の輸出も継続可能であることからも短期的にはカタールの経済には大きな影響はもたらさないという見立てが強い。ただし問題が長期化すれば話は変わってくる。
 
サウジ、エジプト、UAEなどは陸海空路遮断を発表していることからも、観光の中核を握るカタール航空は大きく影響を受ける可能性が高い。また2022年にはWカップを控えており、問題が長期化すればインフラ整備の資金調達も難しくなる。長期的な中東ビジネスへの影響は少なくない。
 
断交のきっかけとなった国営カタール通信の報道はロシアによる偽ニュース工作だった可能性が高いとCNNが報道するなど、混迷を極める当事件であるが、経済への少なからぬ影響力からも、早急な解決が求められる。
 
(参照:http://jp.reuters.com/article/gulf-qatar-economy-idJPKBN18X045)