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高まる中印の緊張状態。両国の思惑は?

 
ブータンはかなり鎖国的な体制を敷いており、軍事面を含めた外交をインドに委託している。ブータンの国王夫妻が来日した際も、手配や手続きはインドの外務省によって執り行われた。そのブータンのドクラム高原への中国の侵入(中国は当地域の主権を主張)により、安全保障を担うインドが介入する形となった。
 
ブータンの安全保障を担うのは、インドにとっても重要だ。インドの本土部分と北東部(プラデーシュ州)をつなぐ回廊に近い戦略地点に今回のドクラム高原が存在する。北東部のプラデーシュ州の主権を中国は主張している。ドクラム高原を中国に実行支配されれば、北東部(プラデーシュ州)との分断は容易になるため、インドにとって戦略上欠かせない拠点となっている。
 
中印は過去に国境を巡って戦争を引き起こしているが、今回はどのような収束を迎えるのだろうか。