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インドネシア:大量浄水設備の導入を検討 ジャカルタ特別州 乾季が長期化 水不足が深刻に

  
同社のプリヤトノ・バンバン・ハルノウォ社長によると、州内の住民に供給される水道水は年々、徐々に増加。州人口に対することしの供給率は63・4%で、昨年から3%増加した。
  
だが、今回の水不足の経験などから同社は今後、長期的に水道水の供給率を上げる方針で、ダムや河川の水を大量に浄水加工できるろ過システム「SPAM」を導入したい意向だ。これが実現すると西ジャワ州プルワカルワ県のジャティルフル・ダムでは、1秒間に4千リットルの水道水を産出できるといい、同社は政府や地元企業と共同で事業を進める考えだ。
     
一方、同社では水道供給量を増やす上で、漏水についても問題視。水道管の結合部分の整備不良や水道管の破損、さらに水道管から違法に水を引く「盗水」などを原因に、全体の水道料に対する19年の漏水率は42%にも上った。同社は特別州政府の地方交付金(APBD)を財源に来年以降、約1兆7千億ルピアを投資し、漏水防止事業を開始。23年までに漏水率を36%、30年までにそれを26%まで下げたい考えだ。
  
当面の水不足に対して州災害対策局(BPBD)は9月、給水車63台と貯水槽134を準備。コールセンターを通じて、水の供給要請があった地区に給水車を派遣している。しかし、供給が実現しているのは一部地域という。(本間太郎)
   
◇ SPAM 
「飲料水管理システム」の略で、まず、池などで上澄みの水に凝集剤(ポリ塩化アルミニウム)を混ぜて、土や砂を凝固。これを水底に沈ませて水のろ過を進めたうえ、さらにこの水を別の池(ろ過池)で浄水加工するなどして安全な水道水を大量に作り出すシステム。
 
ソース:https://www.jakartashimbun.com/free/detail/49723.html