2016年1月26日

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カンボジア・タケオ州バティ区が縫製工場のホットスポットに

カンボジア・タケオ州バティ区が縫製工場のホットスポットに

タケオ州Bati区を通る国道2号線近くにあるKrang Thnong地区の地価は、2つの縫製工場がこの地区で建設を開始して以来上昇を続け、5年前と比較して今年10倍となった、と報じられた。

今後この地区ではさらに、新しい縫製工場や、コストの削減や潜在労働力の多い場所に移転しようとする工場などによってホットスポットとなり得る、と不動産専門家は言う。

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「これまでこの地区では、2つの縫製工場が建設されてきました。縫製工場が1つもなかった時、土地の価格は二束三文でした。最近では、ここの地価は大幅に上昇しています」とKrang Thnong地区長のYin Im氏は述べた。
 
「5年前、国道2号線に近接する土地では、1平方メートル当たり3米ドルで販売されていた一方で、国道から少し離れた土地は、1平方メートル当たり1米ドルの低価格でした」と彼は言った。
 
この地区の村人から縫製工場建設用地を購入するのを仲介する地元不動産業者のSum Savy氏(51歳)は、国道2号線沿いの土地と同様に、この地区の土地価格の急騰を目の当たりにした。彼によると、現在国道2号線沿いの土地は1平方メートル当たり約30米ドルで取引されている。
 
「国道2号線沿いの縫製工場の存在により、特にBati区Krang Thnong地区周辺の土地価格は急速に上昇しています。カンダール州にある国道2号線の交差点付近から(国道沿いに)さらに多くの工場が建設されつつあります」とSum氏は言った。
 
地元の人々が地価上昇について歓迎する一方で、不動産業者は、さらなる希望販売価格の上昇が国道2号線沿いの開発気運を損なう可能性がある、と主張している。
 
「五年前、国道2号線沿いの土地の価格は1平方メートル当たり5米ドル程度でした。 この土地の現在の実勢価格は、公的な不動産業者による評価額よりも30%も高くなっています。低価格あったがために多くの売買がなされましたが、今では膠着状態となっており、ここの土地を売却することは難しくなっています」と、カンボジア不動産協会(CVEA)のKim Heang会長は述べた。
 
とはいえ、上昇し続けている土地の価格は、単にいくつかの縫製工場の存在のみに関連付けることはできず、国道2号線の改善計画など他の開発計画にも関係している、と彼は指摘する。
 
この地域は(他地域と)比較してまだ低価格であること、過密度が低いことから、いくつかの工場が移転を検討しており、「このように、様々な要因が相互に関連し合っているのです」とHeang会長は付け加えた。
 
Krang Thnong地区の地価高騰は、比較コスト優位性によりこの地域に移転している工場なのか、新工場の建設によるものなのか、縫製工場がプノンペンを離れ、周辺州に移転していることを示すようなデータはない。
 
「統計データは一切ありません。工場がどの程度移転しているのかを示す統計について、カンボジアの誰も把握していないと私は断言できます。こうした工場は存続している限り、単にカンボジアの工場の一部とみなされ、新しい場所に移転した工場の数を追跡する術はありません。」とカンボジア縫製業協会(GMAC)のKen Loo会長は述べた。
 
彼は、国道2号線沿いの多くの工場について、「これらの工場は、これらの地域に新しく建設された工場なのか、またはプノンペンの中心地域から外に移転した工場なのか分かりませんが、いずれにせよこうした工場がプノンペン周辺に多く存在しているということが分かります」と続けた。
 
地元の不動産業者のSum氏によると、台湾の投資家らは(新工場)建設に着手する前に、Bati地区の潜在的な労働者に接触して、動向をうかがっている。
 
「Krang Thnong地区から約1000人の村人が現在、Kandal Stung地区にある縫製工場で働いています。(新工場稼動まで当面の間)彼らは午前中に職場に通勤し、夜に地区に戻ってくる(という生活を続けています)」とYim氏は言った。
 
photo by tommy japan on flickr

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