ベトナム繊維業界、TPP活用への準備が着々と進む
ベトナム繊維業界は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)発効後の今までにない成長の機会を見据え、TPP活用のための準備を進めている。ベトナム最大の繊維企業であるベトナム繊維公団(Vinatex)では、9100万米ドルを投じて南部キンザン省の3.7ヘクタールの土地に2番目の工場を建設し、来年春までに操業を開始することを計画している。
新工場は32の生産ラインを備え、洋服またはリネン製品1200万アイテムの生産能力を持つ予定である。年間売り上げは3700万米ドルに上る見込みである。
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また、現在、ベトナムの輸入縫製原材料のほとんどが中国産だが、中国はTPPに加盟しない。そのため、国内原材料への需要が高まることが期待されており、投資も増えている。
別の繊維企業An Phuoc社も、ベトナム中部タンホア省のシルク工場建設に6280億ドン(2820万米ドル)を投資する予定である。4月にも建設を開始し、来年2月の操業開始を予定している。
米国に拠点を置く化学繊維製造企業のKraig Biocraft Laboratoriesはベトナムで子会社及び研究所とテスト製品製造のための工場設立に向けた投資を行っている。同社はベトナム政府の支援を受け新素材と蚕開発のための共同研究も行う予定となっている。
2015年6月、台湾のFar Eastern Groupは南部ビンズン省に2億7400万米ドル規模の工場の建設を開始した。この工場は同社の台湾、中国に続く第3の製造拠点となる。新工場は合成繊維生産、製糸、染色等の多様な施設を備える予定となっている。
2015年、韓国のRio Industriesは中部クアンナム省で600万米ドル規模の工場の操業を開始した。同工場では年間4400トンの合成繊維を生産することができる。
TPPによって多くの地域で関税が廃止されるため、ベトナムの繊維業界はTPPへの準備を進めているが、少なくとも原則においては、TPPの恩恵を被ることができるのは原材料もTPP加盟国から調達された場合のみという「原産地規則」が適用される。
世界銀行はTPPに加盟する12カ国のうち、ベトナムがTPPにより最も大きな利益を得ると予測している。
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