2016年12月5日

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カンボジア・縫製業協会、TPPの無効化がカンボジアにはプラス

カンボジア・縫製業協会、TPPの無効化がカンボジアにはプラス

ドナルド・トランプ次期米大統領の環太平洋連携協定(TPP)離脱宣言に関し、カンボジア縫製業協会(GMAC)の幹部は、アメリカの離脱によりカンボジア国内のアパレル・履物産業の競争力が高まると発言している。

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GMACのKaing Monika副会長はKhmer Times紙に対し、アメリカの離脱により、自由貿易協定署名国である隣国ベトナムに対する、カンボジアの競争力が回復すると語った。「参加12か国のGDPの85%を占める、少なくとも6か国の協定への批准が必須条件となっているため、発行にはアメリカと日本の両国の参加が必要となります。アメリカが離脱すればTPPは事実上発行不可能になります。」とMonika氏は述べた。
 
またMonika氏は、「TPPがなければ、カンボジアはベトナムに対する海外直接投資(FDI)や輸出市場などの競争において以前のポジションに戻ることができます。」とも加えた。「もしTPPが発行されれば、アメリカに対する輸出だけではなく、カンボジアにとってアメリカ同様の大規模輸出国であるカナダや日本などのその他市場にも影響が出ます。」
 
ロイターによると、トランプ氏は TPPを「アメリカにとって災難となる可能性があるもの」と見ており、1月20日の大統領就任以降にTPP支持を取り下げる予定であるという。TPPはバラク・オバマ現米大統領の働きにより、2月に12カ国が署名しているものの、批准手続きが完了した国はまだない。もし発行されれば、環太平洋地域の12カ国で経済連携の強化を目的とした自由貿易が実現し、地域における中国の影響に対する抑止効果となると広く見られている。
 
トランプ氏のTPPに対する不支持の動きにより、他の署名国からも協定に対する疑問の声が上がってきている。11月19日ベトナム政府は、アメリカの支持なしには政府で批准を協議しないことを示唆している。また日本の総理大臣安倍晋三氏は、TPPはアメリカ抜きでは意味がないと発言している。
 
Bower Group Asiaカンボジアの取締役David Van氏によると、多くのアセアン加盟国はすでに、中国を中心とした東アジア地域包括的経済連携に支持を移行しているという。「これは21世紀の貿易がアジア域内交易によってますます成長していることを裏付けていますが、トランプ政権はアジアとの交易の継続には注意を払い続けるでしょう。」
  
しかしながらVan氏は、ベトナムとその他諸国の2カ国間協定に関係なく、カンボジアが依然として「高コスト・低生産国」であることに変わりはないことを指摘している。「この点に関しては今まできちんと取り組まれておらず、長年の懸案だった投資法もまだ計画段階で止まったままです。」と彼は加えた。
 
国際労働機関の報告によると、カンボジアの衣料・履物産業の輸出額は、2016年の第一四半期には昨年同時期より14.5%増の18億米ドルに到達した。18億米ドル中、アメリカ市場が24%を占めていたのに対し、カンボジアのアパレル・履物輸出額の最大の市場である欧州連合(EU)が45%であり、残りの31%は主にカナダ・日本が占めている。
 
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_2657.html

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