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ドゥテルテ政権“思い付き政策”のツケ? 反政府武装勢力との停戦破棄

ドゥテルテ政権“思い付き政策”のツケ? 反政府武装勢力との停戦破棄

2016年5月の大統領選当選後に反政府武装勢力との交渉が始まり、当時は期待を持たせたドゥテルテだが、フィリピン共産党の軍事組織『新人民軍=NPA』【写真】と進めている和平協定が暗礁に乗り上げた事を、ドゥテルテ自身が表明した。

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2016年8月、政府側と共産党最高幹部などが亡命しているノルウェーのオスロで第1回交渉が開かれ、その時に双方が一方的に停戦を宣言するという、ボタンの掛け違いのような事態が起きた。
 
その後正式な停戦協定を結ぶために交渉は進んだが、共産党側は正式停戦の条件として政治犯の内、高齢者や女性、病人約400人の釈放を求めた。
 
これに対してドゥテルテは協定締結が先として跳ねつけ、要求に応じなかったために、共産党側が態度を硬化し和平プロセスに暗雲が立ち込め出した。
 
この進まない和平協定に業を煮やしたNPAは2月1日、2月10日をもってこれまでの停戦を破棄すると政府側に通告したが、この通告が成される数日前からNPAによる政府軍への襲撃回数が急増した。
 
このため、ドゥテルテは2月3日をもって、NPAに対する停戦を破棄すると宣言したが、NPA、政府側とも昨年同様一方的に通告するだけで、双方の交渉成果は全く現れていない。
 
NPAはマルコス独裁政権下の1999年に結成され、最盛期には3万人の兵士を抱え、国内の貧困層を中心に支持を集めフィリピン全土で反政府活動を続けたが、中国の毛沢東路線を信奉しているため教条的な体質から抜け出ず、現在は数千人という規模に縮小している。
 
また、フィリピン人の意識変化と貧困層は依然減らないものの、社会構造が底上げされている状態から『共産主義による社会変革』を望まない層が増え、以前からアジアで唯一共産革命が起きるのでは見られていたフィリピンのこれらの変化がNPAの活動に影響を与えている。
 
ドゥテルテは大学生時代にフィリピン共産党の最高指導者に教えを受けた関係から、停戦、和平への道を探っていたが、今回の決裂に至った。
 
双方の停戦破棄によってミンダナオ島を中心にNPAによる国軍に対する攻撃が散発的に勃発し、国軍はこれに対して断固たる反撃を加えると声明し、双方の非難も拡大し和平への道は一層遠くなった。
 
しかしながら、停戦交渉は決裂していなくて、2月22日から26日にかけてオランダのユトレヒトで開催する見込み。
 
ミンダナオ島が生んだ大統領として同地区では圧倒的な支持を誇るドゥテルテだが、ミンダナオ島でイスラム勢力に自治権を与える枠組みも前政権のアキノ以来進展せず、またミンダナオ島西部の島で拠点を持つ他のイスラム武装勢力の駆逐も進まず、見通しのない状況となっている。
 
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news01&config=&command=body&no=402

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