2018年1月24日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • copy

2018年、ロシアに投資すべき4つの理由

2018年、ロシアに投資すべき4つの理由

2018年はすでに本格的に始動したが、まだロシアでのビジネスプランを打ち立て、発展させる時間はある。今後一年間のロシア経済に影響を与えそうな要素を客観的に見ていこう。

 

クセニア・ズバチェワ、ロシアNOWへの特別寄稿

この記事の続きを読む

 
ロシア経済は2017年の終わりに勢いを取り戻し、GDPは1.6パーセント成長、農業部門は2.5パーセント拡大した。1月11日にヴラジーミル・プーチン大統領が話した。ロシア政府はさらなる成長を期待しているが、ならば今こそ外国の潜在的な投資家が行動に出る時ではないだろうか。
 
我々は今後一年の見通しについてロシア人専門家に話を聞き、また最も利益が期待できる部門を挙げてもらった。
 
1. 経済は今後も成長
グローバルFX社の投資アナリストであるイワン・カリャキン氏は、ロシア経済はおそらく2017年と似たような率で成長するだろうと見る。「主要な経済部門は変わりないでしょう。原油価格は変動するとはいえ1バレル55ドルを下回ることはありません。ルーブルは安定したままで、インフレ率はおよそ4パーセントを保ち、成長は緩やかで2パーセントは超えないでしょう。」カリャキン氏はこう言い、実質的な収入はあまり変わらないだろうと付け加えた。
 
アレヒン・アンド・パートナーズ法律事務所の設立者ローマン・アレヒン氏は、ロシア経済の成長率は低く、2018年には停滞する可能性があると考えている。原油価格の好転が成長に弾みをつけるかもしれないが、もし免許を取り消される銀行が増え、地政学的緊張がさらなる制裁につながれば、いろいろと問題が生じる可能性があるという。
 
アレヒンの予想はどちらかと言えば悲観的だが、楽観的な見方をする専門家のほうが多い。シンガポールのキャッスル・ファミリー・オフィス社のエルディヤル・ムラトフ社長は、ロシア経済の成長は前年より小さいとはいえ、土台はしっかりしていると考えている。
 
「今後2年間、経済成長は喜ばしい驚きをもたらしてくれるかもしれません。2018年には2.8パーセントに達し、もし原油価格が1バレル55ドルに下落したとしても、2019年にはこれより少し高い水準で成長する可能性があります。」ムラトフ氏はそう考える。「これは現在の市場予想より少し高い値です。」
 
2. ルーブルは安定を保つ
ルーブルの為替レートに驚くような変化はないだろう。「ルーブル―米ドルの為替レートは1ドル60ルーブルの均衡を得ましたが、今後価値が大きく変わる可能性はかなり低いです。」ムラトフ氏はこう付け加える。
 
実際、ルーブル高になるかもしれないと考えるアナリストもいる。テレトレード社で主任アナリストを務めるピョートル・プシカリョフ氏は、ドルの為替レートが53〜55ルーブルに達するかもしれないと考えている。そうなればルーブル投資の利益が増すだろう。
 
「万一の場合に備えて、米ドル―ルーブルあるいはユーロ―ルーブルの取引ではモスクワ証券取引所を経由していつでもリスクをヘッジすることができます」とムラトフ氏は言う。
 
3. 政治的な出来事が経済に影響する可能性は低い
ロシアにとって政治的に重大な出来事が、経済に影響を与えることはあまりなさそうだ。ワールドカップの会場やインフラはすでに建設されたが、外国から多くのサッカーファンがやって来ることで、ルーブルが値上がりすることもあり得る、とカリャキン氏は話す。3月の大統領選について言えば、それが国の経済政策に重大な変化をもたらすことはないだろう。
 
「ヴラジーミル・プーチン大統領には経済戦略はありません。必要ないからです。」カリャキン氏は言う。「新指導者の政策は、大いに社会的でポピュリズム的な目標を持つ“布告”という形で導入されるでしょう。そうすれば歳出増大につながります。」
 
4. まだ埋まっていない市場の隙間や投資の機会は多い
プシカリョフ氏は、金融部門では債権が良い投資の機会を提供していると言う。利益が固定しており、経済成長に左右されないからだ。また昨年と同じように、いわゆる“キャリー・トレード”におけるロシアの債権取引も良い利益が期待できるとカリャキン氏は話している。
 
他の部門については、ITや自動車産業、鉱業、木材産業、農業、観光業で良い機会が見込める。国が支援する部門やプロジェクトは、市場平均に比べて成長率が良いため注目に値するだろうとプシカリョフ氏は指摘する。
 
例えば農業では、インフラや食品加工への投資が考えられる。観光業ではホテルやレストラン、交通機関などのインフラへの投資が利益につながるが、カリャキン氏の話では、そのさいモスクワのような大都市以外の地域に投資することになるだろう。
  
「クリミアは投資するのにとても興味深い場所です。この地域は西側の制裁の影響を受けていますが、そうしたリスクはそこで働く人々にとっては大変な潜在力を秘めています。」カリャキン氏は言う。「遅かれ早かれクリミア問題は解決し、世界中から大きな投資の波は押し寄せるでしょう。しかしその時にはもう手遅れです。今のところ最も勇気のある投資家は中国の人々だけですが、これは残念なことです。」
 
概して専門家たちは、未飽和で実質的な競争を欠いている部門がロシア市場にはまだ多くあると指摘している。まさにそうした分野こそが投資で良い利益をもたらしてくれるのだ。
 
ロシアNOW/https://jp.rbth.com/business/79579-roshia-ni-toshi-subeki-riyu

この記事の提供会社

logo

ロシア・ビヨンド

https://jp.rbth.com/

メルマガ会員  
 

出島