2018年10月22日

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オーバーツーリズムに悩むフィリピン・ボラカイ島 観光客の立ち入りが再開

オーバーツーリズムに悩むフィリピン・ボラカイ島  観光客の立ち入りが再開

ドゥテルテ大統領がフィリピンで著名な観光地ボラカイ島の海を見て、『汚水溜め』と指摘したのは2018年度の最も的を得た発言であり、大統領在任中の名言として後世に残るとされている。

【写真はセブ・マクタン島のコルドヴァ地区】

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そのボラカイ島が強制的に閉鎖され、観光客の立ち入りが6ヶ月間禁止されていたが、10月26日より再開されることになった。
    
閉鎖中の半年間で、上下水設備の工事、違法建築の撤去などが進められていたが、当初示していた6ヶ月間では完了せず、観光業界の政治的圧力もあって見切り発車となった。
    
このためボラカイ島の整備事業は大きく遅れることになるが、当局側は今後2年間をかけて整備事業を続けるとするものの、喉元の熱さをすぐに忘れる国民性ゆえ、その行く先に懸念が持たれている。
   
再開されるボラカイ島を訪れる観光客には事前の宿泊予約が必要だが、ボラカイ島にある宿泊施設で営業許可が出ているのは3分の1以下の68ヶ所、部屋数で3500余なので、人数は自動的に制限できると当局は見ている。
   
また、従来野放しであった、砂浜での飲酒や喫煙の禁止、砂山作りやファイヤー・ダンスなどの裸火の使用、テントや椅子、テーブルを持つ屋台店も禁止となった。
   
この他、ギャンブル行為やカジノも禁止され、島内に3ヶ所あったカジノを併設するホテルには営業許可は下りていない。
   
しかし、同島には大資本によるカジノ併設の新ホテルの建設が既に許可されていて、営業許可を巡って新たな紛争の種となっている。
   
このように窮屈になったボラカイ島に国内外から以前のように観光客が、押しかけるかどうか観光業者内には不安する向きもあるが、いずれ元のようになるとのたかを括った見方も強い。
   
今回のボラカイ島閉鎖を教訓に観光行政を進める観光庁は、ボラカイをモデルに、現在環境汚染が指摘されている国内観光地全てで環境保全対策を進めるとしているが、今頃やっても遅いとの声が環境保護団体などから批判されている。
   
それでも観光庁は、パラワン島エル・ニド、ボホール島パングラオ地区、セブ島オスロブ、ルソン島ラ・ウニオンなどの海岸区域と、排気ガス公害の酷い山間部のバギオなどがボラカイ・モデルを進める場所の候補として挙げるが、ボラカイ島以上に環境汚染が酷いセブ・マクタン島は含まれていない。
  
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news03&config=&command=body&no=476

 

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