2020年9月18日

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フィリピン:LGBT殺害の米兵受刑者 大統領の恩赦で帰国

フィリピン:LGBT殺害の米兵受刑者 大統領の恩赦で帰国

かつてアメリカの植民地であった歴史を持ちながら、アメリカへの移住が夢であり、アメリカの州になりたいと思う程、アメリカ好きのフィリピンだが、その分アメリカの横槍、横暴に目を瞑らされることも数多い。

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2014年10月、ルソン島サンバレス州オロンガポ市内のモーテルで当時26歳のLGBT(性的少数者)男性を殺害したアメリカ海兵隊員(26歳)が刑期を終えたと見做され、ドゥテルテ大統領によって恩赦を受け、同人は米軍機によって帰国した。
 
同人は2015年12月にオロンガポ地裁で禁固6~10年の有罪判決を受け服役していたが、同地裁は今月1日に『刑期を充分に務めた』と都合の良い計算を作り上げて、司法省に釈放を命じていた。
 
同地裁の判決自体LGBTの命を軽んじる差別的な判決と法曹関係者も批判していたが、同地裁はかつてのアジア最大のスービック・アメリカ海軍基地【写真は返還後の現在は経済特区として開発されているスービック港】があった関係からか、昔からアメリカ軍人の犯罪に甘いとの指摘があった。
 
フィリピンとアメリカの間には『訪問米軍地位協定(VAF)』が結ばれていて、アメリカ軍の特権的な地位は保障されているが、これは沖縄で米軍人犯罪が問題になる時の『日米地位協定』と同じ治外法権であり、ドゥテルテは、このVAFを不平等だとし今年2月に破棄すると発表。
 
その背景には中国の影響があるともいわれ、正式通告の6ヶ月後に破棄の予定であったが、6月になって半年間破棄を凍結すると態度を一転し、アメリカ側の巻き返しが成功したと伝えられる。
 
そういった中、今回の受刑者の突然の恩赦命令は憶測を呼んでいるが、同受刑者は判決後国軍本部内にある施設に収監されていて、それ自体特別待遇との批判もあった。
 
恩赦を受けた同受刑者は米軍の用意した軍用機でフィリピンを離れたが、同受刑者は長い禁固生活の中でも海兵隊員としての地位は保っているための措置と見られ、アメリカ側の対応にも批判が集まっている。
 
こういったアメリカ軍人の犯罪で知られるのは過去に同地方であった『レイプ事件』で、同事件で犯人は逮捕されたが、被害者が訴えを取り下げたために事件はないこととなった。
 
その取り下げにはアメリカ移住を被害者に認める取り引きをアメリカ側から工作したためといわれ、実際被害者はアメリカに渡っている。
 
人権を重んじる国とされるアメリカも軍が絡むとなりふり構わない国との印象をこの事件で植え付けたが、今回の恩赦、釈放もその流れを組み、ドゥテルテもアメリカと中国の間で揺れる立場に頭は痛く、小国の悲哀そのものだが、両国からのODA(政府援助)と民間投資を考えると強いこともいえないのも事実。
 
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news01&config=&command=body&no=507

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