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ユーロ安が強力な追い風に、DAX企業の売上・利益拡大

 

ドイツ経済が堅調を保っている。DAX(ドイツ株価指数)採用企業の第2四半期(4~6月)の売上高と営業利益(EBIT)はともに同四半期の最高を記録。ユーロ安が強力な追い風となっていることが大きく、国内総生産(GDP)も外需主導で拡大した。ただ、これまで世界経済をけん引してきた主要新興国の低迷が鮮明となっていることから、輸出をてことする独経済の先行きには懸念も出ている。

 

ドイツ連邦統計局が14日発表した2015年第2四半期のGDPは物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前期比0.4%増となり、上げ幅は第1四半期(1~3月)の同0.3%をやや上回った(下のグラフ参照)。輸出が大きく伸びたほか、個人消費と政府最終消費支出がこれまで同様、堅調で全体が押し上げられた。石油安は個人消費の押し上げ要因となった。

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一方、世界経済の減速など景気の先行き懸念が強まっていることから、企業投資は低調で、特に建設投資は振るわなかった。企業が在庫整理を大幅に進めたことも成長率を押し下げた。

統計局は毎年8月に1991年以降のGDP統計の見直しを実施。それに伴い成長率が微修正される。今回も昨年第4四半期(10~12月)の数値がこれまでの0.7%から0.6%へと改められるなど、改訂が行われた。

統計局の貿易統計をもとに第2四半期の輸出高を計算すると、総額は3,022億ユーロで、前年同期を8.2%上回った。地域別ではユーロ圏外向けの伸び率が大きく、欧州連合(EU)域外は9.2%増の1,273億ユーロ、EUのユーロ非加盟国は8.6%増の641億ユーロと平均を上回る伸びを記録した。ユーロ圏向けは6.9%増の1,108ユーロと伸び率がやや低く、ユーロ安でユーロ圏外向けの輸出が押し上げられたことがうかがわれる。

ユーロ安が経済を押し上げたことは独大手企業の業績からもみてとれる。大手監査法人であるアーンスト・アンド・ヤング(E&Y)の調べをもとに『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じたところによると、DAX企業の第2四半期の売上高(銀行と保険を除く)は前年同期比11%増の3,350億ユーロとなり、同四半期の過去最高を更新した。増収額は340億ユーロで、そのうち少なくとも200億ユーロはユーロ安に起因するという。ユーロ相場はこの間、対ドルと対人民元でそれぞれ約20%低下しており、ドルや元の売上をユーロに換算すると大きく膨れ上がる効果がある。EBITは10%増の320億ユーロだった。

DAX企業の増収率を地域別でみると、足元の欧州が6%だったのに対し、北米は31%と極めて高く、アジア・太平洋も14%に上った。E&Yのパートナーは同紙に「第2四半期の大幅成長はかなりの部分、為替効果に起因する」と明言した。

独連邦銀行(中銀)は17日発行した最新月報で、ドイツ経済が下半期に一段と加速するとの予測を示した。石油価格が再び下落したことで個人消費が拡大するうえ、企業の投資意欲も高まると指摘。主要市場の米国、英国の景気見通しも良好だとしている。ただ、その一方で、中国やブラジル、ロシアなど主要新興国の経済が弱含んでおり、リスク要因だとの見方を示した。

<ユーロ圏は9四半期連続成長に>

EU統計局ユーロスタットが14日発表したユーロ圏の第2四半期の域内総生産(GDP、速報値)は実質ベースで前期比0.3%増となり、上げ幅は前期の0.4%から縮小したものの9四半期連続でプラス成長を記録した。ギリシャの債務問題で大きく揺れたが、ユーロ安、原油価格の下落に支えられ、小幅ながら伸びた。

成長率を国別でみると、スペインは1.0%と大きく、財政・経済危機からの脱却が加速。ギリシャは財政支援問題をめぐって混迷したにもかかわらず0.8%となり、横ばいだった前期から大きく回復した。経済を支える観光業が好調だったほか、先行き不安への防衛策として消費者による耐久消費財の購入が活発化し、個人消費が押し上げられたもようだ。

一方、前期に0.7%増となったフランスは設備投資、個人消費が停滞してゼロ成長に失速。イタリアは前期を0.1ポイント下回る0.2%増にとどまった。

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