2015年10月20日

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マレーシアとベトナムのTPP参入がインドネシア製造業の脅威に

マレーシアとベトナムのTPP参入がインドネシア製造業の脅威に

インドネシアの製造業者らは、マレーシアとベトナムが他の8カ国とともに環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に参入することを懸念していると語る。

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インドネシア繊維協会(API)のErnovian Ismy事務局長は、関税削減と貿易障壁の低下により、両国の製品は市場での競争力を強め、結果としてインドネシア製品の市場シェアの脅威となると話す。Kontan.comによると、Ernovian事務局長は「TPPに加盟すれば、他の加盟国市場への参入が有利になります。ベトナムとマレーシアが米国などTPP加盟国のインドネシア製品を駆逐することも可能です」と話したという。Ernovian事務局長によると、マレーシア、ベトナムとインドネシアの製造業製品は繊維、繊維製品、タイヤ、自動車部品、電子部品など類似しているとのこと。
 
インドネシア繊維協会の統計によると、インドネシアは昨年12億ドルの繊維・繊維製品を輸出している。最大の市場は米国(36%)であり、その後に中東諸国(23%)、ヨーロッパ(16%)、日本(7%)、東南アジア(7%)が続く。
 
インドネシア製靴業協会(Aprisindo)のEddy Widjanarko議長は、新たな貿易圏であるTPPは長期的な影響を及ぼすだろうと話す。「ベトナムはさらに多くの靴類生産を受注し、インドネシアは低迷することになるでしょう」と彼は言う。
 
商務省のデータによると、インドネシアの2014年の靴類輸出は41億1000万ドルに達し、2013年の輸出額38億6000万ドルから6.44%増加している。主要輸出先は米国、英国、ベルギー、ドイツ、日本であった。
 
すでに報道されている通り、米国、カナダ、日本、オーストラリア、ブルネイ、チリ、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポールとベトナムがTPPへの加盟を表明している。これら12カ国は世界の貿易額の4割を占める。
 
Ernovian事務局長、Eddy議長ともにインドネシアはTPPに加盟するべきであり、もしそれが不可能ならば政府は同様の貿易協定をヨーロッパ及びトルコと早急に締結すべきであると主張する。
 
PT Pan BrothersのFitri Ratnasari Hartono代表は、ヨーロッパとの貿易協定がない限り、インドネシア製品は競争力を失う、インドネシア産繊維の輸出先である米国、日本市場はTPP加盟国に奪われてしまうと懸念する。
「ヨーロッパとは準備協議を始めたところなので、これから貿易協定を結ぶこともあり得ます」とHartono代表は話す。
 
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